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フレンチ・クラシック・カフェ

1 年前
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(基於 PinQueue 指標)
フレンチ・クラシック・カフェ
笹川日仏財団がお届けするプログラム「フレンチ・クラシック・カフェ」。フランス音楽の素敵なところをちょっと変わった切り口でご紹介します。ご案内役は軽妙なトークで定評のある指揮者の中田昌樹さんです。 《中田昌樹プロフィール》 1951年札幌生まれ。道立札幌西高校卒業。国立音楽大学器楽学科卒業後、フランスに留学。パリ・エコール・ノルマル音楽院指揮科を一等賞首席にて卒業。アメリカ・タングルウッドで小澤征爾、バーンスタインの教えを受ける。 パリ・コンセール・パドゥルー管弦楽団を指揮してヨーロッパデュー、その後、フランス国立リヨン管弦楽団で音楽監督セルジュ・ボドのアシスタントを務める。ベルリン放送交響楽団、ブルガリア国立ソフィア室内管弦楽団などヨーロッパ各地で指揮。 帰国後、新国立劇場開場当初からオペラ制作に携わり、オペラ研修所特任講師も務める。 吹奏楽の分野では、吹奏楽コンクール全国大会/支部大会/県大会の審査、各地の指揮講習会の講師を長年に渡って担当。 札幌大学文化学部 客員教授、新国立劇場オペラ制作部 専門員、新国立劇場オペラ研修所特任講師 、Institut Francais du Kyushu (九州日仏会館) 『フランス音楽の陰影』レクチャー講師 等を歴任。
#89 多様な音の乱舞-プーランク『ニ台のピアノのための協奏曲』

名作のあと書かれた曲は、その威光に隠れてしまって、音楽的にはより充実している筈であるのに、知名度が上がらない事もままあります。チャイコフスキーのやラフマニノフの協奏曲などもその例でしょう。

プーランクが『二台のピアノのための協奏曲』の約20年後、ボストン交響楽団から委嘱された作曲された、もう一曲の『ピアノ協奏曲』(通常の一台のための!)があります。

1950年、プーランク自身のピアノ、シャルル・ミュンシュ指揮ボストン交響楽団で初演が行なわれた素敵な曲です。しかし彼自身は、「弾いているうちに、聴衆の間に興味が停滞して行くのに私は気づいた」という感想を漏らしたと言われます。しかし一方で「ロマン派の協奏曲のような仰々しさを帯びていないし、また主題が伝統的な方法で展開されることもない。旋律自体が協奏曲であり、それがこの曲の特質の一つなのである」と好意的な批評もありました。

【出演】中田昌樹(指揮者) 【演奏】フランシス・プーランク作曲『2台のピアノのための協奏曲』第三楽章 ジャン=リュック・タンゴー/指揮 アイルランド国立交響楽団/演奏 イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 ピアノ/江澤隆行 【提供】笹川日仏財団


Fri, 14 Apr 2023 21:00:33 GMT
#88 モーツァルトが舞う-プーランク『ニ台のピアノのための協奏曲』

サン=サーンスがあまりに早熟だったため、” Petite Mozart “ (プティ・モザール/モーツァルトの再来)と呼ばれていた、と。

事程左様に、フランスでもモーツァルトは天才の象徴で、その音楽も単なるお手本というより、憧憬に近いようなものがあったのでしょう。

そして、サン=サーンスも、モーツァルトのパラフレーズ/トランスクリプション(transcription)いう手法で、その存在に近づこうとしたのでしょうか…。

作曲中のプーランクにも、ふとモーツァルトが過(よぎ)る刹那があったに違いありません。


【出演】中田昌樹(指揮者)

【演奏】フランシス・プーランク作曲『2台のピアノのための協奏曲』第二楽章 ジャン=リュック・タンゴー/指揮 アイルランド国立交響楽団/演奏 イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 ピアノ/江澤隆行

【提供】笹川日仏財団


Fri, 07 Apr 2023 21:00:17 GMT
#87 広汎な音が織りなす世界-プーランク『ニ台のピアノのための協奏曲』
作曲家にとって、ピアノを連弾(四手)で弾くことは、八十八ある鍵盤をなるべくたくさん使い、より豊かな音量を求めることが、さぞかし興味深い事に違いなく、サン=サーンスをはじめ、パイプオルガンを習得した多くの作曲家たちが、その広い音域使用に引き込まれています。 さてピアノ二台で弾く場合は...。 音域的には重複することも頻発しますが、各々のピアノが各々違った音形や音像をはっきりと分離することも可能になります。 プーランクは『二台のピアノのための協奏曲』を演奏するにあたって、ピアノとオーケストラの配置などをスコアに細かく書き込まれています。 【出演】中田昌樹(指揮者) 【演奏】フランシス・プーランク作曲『2台のピアノのための協奏曲』第一楽章 ジャン=リュック・タンゴー/指揮 アイルランド国立交響楽団/演奏 イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 ピアノ/江澤隆行 【提供】笹川日仏財団
Fri, 31 Mar 2023 21:00:29 GMT
#86 軽妙洒脱・変幻自在・天真爛漫-プーランク『牝鹿』
フランス近代の音楽の進捗語るに於いて、バレエ・リュス(Ballets russes)の主宰者セルゲイ・ディアギレフの存在の重要性は見逃せません。 彼がまだ若い作曲家たちに依頼した作品といえば、ストラヴィンスキー『火の鳥』『ペトルーシュカ』『春の祭典』、ドビュッシー『遊戯』、ラヴェル『ダフニスとクロエ』、ファリャ『三角帽子』など、枚挙に暇(いとま)がありません。しかも音楽史上、画期的な作品となると曲ばかりで、彼の、その若い才能をいち早く見抜く先見の明には驚くばかりです。 そんなディアギレフが、まだ本格的なオーケストラ作品を書いていなかった24才のプーランクに作曲を依頼します。しかも「筋書きは特にない‥」という条件提示は、その期待値の大きさが表れています。 【出演】中田昌樹(指揮者) 【演奏】フランシス・プーランク作曲『牝鹿』より第3曲 ラグ・マズルカ ジャン=リュック・タンゴー/指揮 アイルランド国立交響楽団/演奏 イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 ピアノ/江澤隆行 【提供】笹川日仏財団
Fri, 24 Mar 2023 21:00:02 GMT
#85 ラモー回帰に向かう風-プーランク『牝鹿』

プーランク家は、代々大変裕福で、文化的にもとても高い関心を持つ中で育つ一方、両親は敬虔なカトリック教徒で、家系には聖職者を輩出することほどでした。

プーランク、20代前半の作品であるバレエ『牝鹿』の軽妙洒脱な中でも、祈りを想わせる静寂さが現れます。

また後に書かれた『グローリア』『スタバト・マーテル』などのオーケストラ付きの合唱曲は、洗練されたハーモニーを駆使した作風の中、神と真摯に向き合う教会での時間の体現でもあるのでしょう。

フランス革命の史実に基づいたオペラ『カルメル修道女の対話』は、遠く離れたコンピエーニュの修道院で敬虔な祈りと共に暮らす16人の修道女たちがパリに連行され、聖歌を歌いならも断頭台の露に消える無慈悲さのその刹那を、精緻にスコアに書き込んだ稀有な作品です。


【出演】中田昌樹(指揮者)

【演奏】フランシス・プーランク作曲『牝鹿』より第4曲 アンダンティーノ ジャン=リュック・タンゴー/指揮 アイルランド国立交響楽団/演奏

イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 ピアノ/江澤隆行

【提供】笹川日仏財団

Fri, 17 Mar 2023 21:00:47 GMT
#84 パリの爛熟した文化の中で-プーランク『牝鹿』

フランシス・プーランク。1899年、大統領府エリゼ宮近くに住む、代々続く大企業の経営者の家に生まれ、三男にもかかわらず兄ふたりが早世したため家業を継ぐ使命を負わされ、音楽の勉学に進むことを断念せざるを得ませんでした。


しかし、第一次世界大戦以後の爛熟した文化の中心地パリで、音楽家のみならず、ジャン・コクトーなどの文化人、モディリアーニ、ピカソなどの画家、アポリネールをはじめとする多くの詩人たちが活躍する百花繚乱の中、類をな見ない軽妙洒脱、天真爛漫な作風を身につけて行きました。

若きプーランクがかの有名なディアギレフからバレエ『牝鹿』の作曲依頼を受けた事を知ったジャン・コクトーは、協力を申し出ますがそれを敢えて断り、プーランクは台本ナシで作曲を始めます。そして衣装と舞台美術を、淡いパステルカラーの優しい画風のマリー・ローランサンに依頼して素敵な舞台が仕上がります。


【出演】中田昌樹(指揮者)

【演奏】フランシス・プーランク作曲『牝鹿』より第1曲 ロンドー ジャン=リュック・タンゴー/指揮 アイルランド国立交響楽団/演奏

イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 ピアノ/江澤隆行

【提供】笹川日仏財団

Fri, 10 Mar 2023 21:00:48 GMT
#83 音楽へと昇華した『雅なる宴』-ドビュッシー『小組曲』

クロード・ドビュッシーか愛好したヴェルレーヌの詩集『雅なる宴』は、前世紀の曲線的、装飾的で甘美な「ロココ絵画」と呼ばれるジャンルの創始者アントワーヌ・ヴァトーの芸術性の高い作品が、ヴェルレーヌの詩作に少なからす影響を与えたに違いありません。

「詩のリズム、言葉の響きとの戯れ、音楽への明示的な言及により、詩そのものが歌のような雰囲気を醸し出す」というヴェルレーヌ自身の言葉のように、ドビュッシーはその詩を素晴らしい音楽に昇華させました。

『雅なる宴』の一節

Cependant la lune se lève
Et l’esquif en sa course brève
File gaîment sur l’eau qui rêve.

見事に綺麗な韻を踏んでいます。

評論家のジャック=アンリ・ボルネック(Jacques-Henri Bornecque)は、優しいものから皮肉なものまで、さまざまな場面や出会いを表現した22編の詩が収められているこの詩集を『小組曲』と呼んだそうです。


【出演】中田昌樹(指揮者)

【演奏】クロード・ドビュッシー作曲『小組曲』より「小舟にて」 ピアノ/江澤隆行

イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 ピアノ/江澤隆行

【提供】笹川日仏財団

Fri, 03 Mar 2023 21:00:26 GMT
#82 ヴェルレーヌの詩に触発されて-ドビュッシー『小組曲』

ドビュッシーが9歳の時、後に出会う詩人ヴェルレーヌの義母アントワネット・モテ・ド・フルールヴィル夫人に、ピアノのはじめ、基礎的な音楽の手ほどきを受けます。

その後ドビュッシーは、ヴェルレーヌの流麗でリズミカルな詩作に惹かれ、たくさんの歌曲を生み出すことになります。

中でも『雅なる宴 (Fêtes galantes)』は特にドビュッシーのお気に入りで、ローマ大賞受賞してローマに滞在する際も携えて行くほどで、『小組曲』はその詩集からのインスピレーションを得られた、とあります。

その一節

Cependant la lune se lève

Et l’esquif en sa course brève

File gaîment sur l’eau qui rêve.

と、見事に綺麗な韻を踏んでいます。


【出演】中田昌樹(指揮者)

【演奏】クロード・ドビュッシー作曲『小組曲』より「メヌエット」「バレエ」 ピアノ/江澤隆行

イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 ピアノ/江澤隆行

【提供】笹川日仏財団

Fri, 24 Feb 2023 21:00:58 GMT
#81 フランスの作曲家は連弾がお好き?-ドビュッシー『小組曲』

クロード・ドビュッシーの生家があるサン=ジェルマン=アン=レー(Saint-Germain-en-Laye)は、パリの西に位置し、1124年、ルイ6世によって最初の城塞が築かれてから1689年に国王ルイ14世がヴェルサイユに移り住むまで、王の居城であった由緒ある土地です。

しかし、父親の仕事の都合の他、パリ・コミューンに参加して捕らえられたりなど、家庭の事情でドビュッシーが8歳の頃には南仏カンヌの叔母の元で暮らすことになります。そこでの学校関係など初等教育の資料などもあまり残っておらず、後年、ドビュッシー本人もほとんど語らなかった、と。

そのような境遇は、その後のドビュッシーの人格形成に影響を及ぼさなかったのでしょうか.‥。


【出演】中田昌樹(指揮者)

【演奏】クロード・ドビュッシー作曲『小組曲』より「行列」 ピアノ/江澤隆行

イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 ピアノ/江澤隆行

【提供】笹川日仏財団


Fri, 17 Feb 2023 21:00:39 GMT
#80 いつにない激しさは情熱か?-フランク『ヴァイオリン・ソナタ』

セザール・フランクがいかに無欲、善良、つまり聖者のような人物だったかという人間性については数多くの人の証言があリます。

彼を間近で観察し続けた作曲家のヴァンサン・ダンディは「彼の作曲の動機は、栄光でもなく、金でもなく、安易な成功でもなかった。彼の目的は、芸術を手がかりに自らの思考と感情を表現しようとすることだった。そして、何よりも真の意味で彼は謙虚な人だった」と語っています。

かのドビュッシーは、パリ音楽院在籍中、一時期フランクの和声クラスに属したものの、正統でアカデミックなフランクの教えについて行けず、教室から逃げ出し、別な部屋で自分の好きなハーモニーを引き続けていた事があった時も「好きなだけ好きな和音を弾くといい」と許容したそうな...。

しかし、ドビュッシーがフランクについては深い敬意を持ち続け、彼が嫌ったワーグナーに唯一対抗しうる「フランス音楽」の作曲家という評価もしていた、とも‥.。


【出演】中田昌樹(指揮者)

【演奏】セザール・フランク作曲『ヴァイオリン・ソナタ』第二楽章 西崎崇子/ヴァイオリン イェネ・ヤンドー/ピアノ

イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行

【提供】笹川日仏財団

Fri, 10 Feb 2023 21:00:00 GMT
#79 結婚式に初見で演奏!-フランク『ヴァイオリン・ソナタ』

ヴァイオリン・ソナタのピアノパートといえば、ともすればヴァイオリン・ソロに従属的であることが多い中、フランクのソナタの場合、ソロに寄り添う場面もあるものの、そのピアノ・パートの音楽的な雄弁さは、ピアニストにとっても興味深いのでしょう。

その証左として、枚挙に暇(いとま)がないほど、歴代の名ヴァイオリニストと共に名ピアニストたちが録音を残しています。

  • ティボー/コルトー(1929年録音)
  • ハイフェッツ/ルービンシュタイン(1937年録音)
  • オイストラフ/リヒテル(1968年録音)
  • ギトリス/アルゲリッチ(1977年録音)

などなど...。因みに、コルトーはピアノ独奏用に自ら編曲しています。


【出演】中田昌樹(指揮者)

【演奏】セザール・フランク作曲『ヴァイオリン・ソナタ』第四楽章 西崎崇子/ヴァイオリン イェネ・ヤンドー/ピアノ

イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行

【提供】笹川日仏財団

Fri, 03 Feb 2023 21:00:54 GMT
#78 フォーレ『ドリー組曲』-シンプルゆえの表現あり

当時のフランスの音楽界にとって、ワーグナーの音楽は全く異質であったが故に、作曲家たちはこぞってドイツまで出かけ、ワグナーオペラの体験をしたようです。心酔するもの、影響を受けるもの、拒絶するものと、反応もまちまちでした。

そんな中、フォーレは作曲家仲間のメサジェと《バイロイトの思い出(Souvenirs de Bayreuth)》(お気に入りのワグナーの主題によるカドリーユ風の幻想曲)という、『ワルキューレ』から『神々の黄昏』のテーマを網羅したピアノ連弾曲を書きます。

カドリーユ(Quadrille)とは17世紀に流行した4人一組で頻繁に相手を替えて踊る舞踏のことで、多分にワグナーの音楽を揶揄しているのでしょうか‥。


【出演】中田昌樹(指揮者)

【演奏】ガブリエル・フォーレ作曲『ドリー組曲』より「スペインの踊り」 江澤隆行/ピアノ

イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行

【提供】笹川日仏財団

Fri, 27 Jan 2023 21:00:17 GMT
#77 ドリーの誕生日は音楽とともに

ガブリエル・フォーレは、パリ・マドレーヌ寺院のオルガニストとしてサン=サーンスの後任に指名されるほどの優秀なオルガン奏者であり、パリ音楽院の作曲科教授に就任してからもモーリス・ラヴェルなどの人材を育て、その後パリ音楽院院長も務め、学士院会員にもなる、という、勤勉、実直で人望も厚かった人物像が浮かび上がります。


その音楽は、当時フランスに吹き荒れたワーグナーの鮮烈な風を、許容し受け入れつつも、直接的な影響をあまり受けないという、教育者としての毅然としていた稀有な存在でもあったようです。


【出演】中田昌樹(指揮者)

【演奏】ガブリエル・フォーレ作曲『ドリー組曲』より「ミ・ア・ウ」「ドリーの庭」 江澤隆行/ピアノ

イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行

【提供】笹川日仏財団

Fri, 20 Jan 2023 21:00:30 GMT
#76 夢見る親子での連弾⁉︎ 子どものためのピアノ曲

画家が、絵に描きたい、描いておきたいという衝動にかられるは、自分の脳裏に留めておくだけではなく、その美しさを誰かに伝えておきたいという思いなのではないかと邪推します。

では音楽は、といえば、そこまで具象ではないにせよ、やはり敢えて何かを伝えておきたいという、意志や意図が曲に潜在しているのでしょう。まして、その対象が愛らしい女の子であったなら、なんとも淡い夢見心地の曲想になるのでしょうね。


【出演】中田昌樹(指揮者) 

【演奏】モーリス・ラヴェル作曲『マ・メール・ロワ』より「眠れる森の美女のパヴァーヌ」、ガブリエル・フォーレ作曲『ドリー組曲』より「子守唄」 江澤隆行/ピアノ

  イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行 

【提供】笹川日仏財団

Fri, 13 Jan 2023 21:00:59 GMT
#75 シンフォニーの新たなカタチ-フランク『交響曲 ニ短調』

セザール・フランクはベルギー生まれながら、現在ではフランス音楽の代表的な作曲家と位置付けられています。 

存命中はパリ音楽院の教授や教会のオルガニストとしては著名でしたが、意外にも作曲家としての評価はあまり芳しくなかったようで、同時代のグノーやサン=サーンスからは辛辣な言葉を浴びせられました。 

この時期、斬新な転調、半音階的進行などを駆使したワーグナーの手法に出会って、その影響を色濃く受けたせいかも知れません。 しかし、フランク独自の巧緻な筆致に新たな語法と洗練が加わり、フランクの音楽は大きく飛躍して、この交響曲に結晶しています。 


【出演】中田昌樹(指揮者) 

【演奏】セザール・フランク作曲『交響曲 ニ短調』第一楽章 ギュンター・ノイホルト/指揮、ロイヤル・フランダース・フィルハーモニー管弦楽団/演奏 イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行 

【提供】笹川日仏財団

Fri, 06 Jan 2023 21:00:14 GMT
#74 ふんわり展開する循環形式-フランク『交響曲ニ短調』

ハイドン、モーツァルトと伝統的に踏襲されてきた、機能和声の立体感のあるスクエアな構築性の拡大とも取れる4楽章形式の交響曲。ベルリオーズなどの例外はあるものの、その枠の中に止まる、あるいは留まらざるを得ない必然性があったのでしょう。

しかし、フランクに至って、4楽章の四角い立方体から、主題が繰り返し現れる循環形式の3楽章三角錐の重なりのようなシンメトリーな形に変容します。音楽的な盛り上がりも楽章の終わりを目指すのではなく、山の峰を俯瞰するが如く、多様に調性やオーケストレーションを替えて、繰り返し繰り返し現れます。


【出演】中田昌樹(指揮者)

【演奏】セザール・フランク作曲『交響曲 ニ短調』第三楽章 ギュンター・ノイホルト/指揮、ロイヤル・フランダース・フィルハーモニー管弦楽団/演奏

イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行

【提供】笹川日仏財団

Fri, 30 Dec 2022 21:00:43 GMT
#73 華麗なる転調の世界-フランク『交響曲ニ短調』

セザール・フランク(セザール=オーギュスト=ジャン=ギヨーム=ユベール・フランク(César-Auguste-Jean-Guillaume-Hubert Franck)は、現在のベルギー王国リエージュ(当時のネーデルラント連合王国)、時代によって国境線が目まぐるしく塗り変わり、多様な言語が入り交じる地域で、ドイツ系の家系に生まれました。

フランスに赴いてパリ音楽院への入学を志しますが、外国人と言う理由で音楽院長のケルビーニに一度は入学を拒否されるものの、前年チェロで例外的に入学を許されたプロイセン王国(現ドイツ)から来たオッフェンバッハの例を引き合いに出し、特別に入学を許可された経緯があります。後に、パリ音楽院の教授に任命された折は、フランス国籍を取得しています。

このような自らのアイデンティティーの多様さが、フランクの音楽に影響しているのは否めないのかもしれません...。


【出演】中田昌樹(指揮者)

【演奏】セザール・フランク作曲『交響曲 ニ短調』第二楽章 ギュンター・ノイホルト/指揮、ロイヤル・フランダース・フィルハーモニー管弦楽団/演奏

イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行

【提供】笹川日仏財団

Fri, 23 Dec 2022 21:00:24 GMT
#72 「全員の踊り」-ディアギレフと5/4拍子の意外な関係⁉︎

セルゲイ・ディアギレフ。ロシアバレエ団(バレエ・リュス/Ballets russes)を率いて大成功を収めた辣腕興行師のように伝えられる事が多いようですが、ディアギレフはロシア貴族の出で、深く広い教養を持つ先見性に満ちた人物だったようです。 

まだ二十代のロシア人作曲家ストラヴィンスキーにロシア民話を題材にした『火の鳥』、直後には『ペトルーシュカ』を依頼、パリで大成功を収めます。

同じ時期、早くからその才能に注目していた若いラヴェルにも『ダフニスとクロエ』の作曲を依頼するなど、これらの作品群はパリを中心に、その時代の音楽の本流となって行きます。 


【出演】中田昌樹(指揮者)

【演奏】モーリス・ラヴェル作曲『ダフニスとクロエ』第3場「全員の踊り」 レナード・スラットキン/指揮、フランス国立リヨン管弦楽団/演奏 

イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行 

【提供】笹川日仏財団

Fri, 16 Dec 2022 21:00:32 GMT
#71 精緻なる音絵巻-ラヴェル『ダフニスとクロエ』

「スイス製の時計のような...」という、ストラヴィンスキーの言葉を借りるまでもなく『ダフニスとクロエ』のスコアに書き込まれた音符の精緻さは、あたかも点描の絵画から朧(おぼろ)げな輪郭が浮び上がるように綿密に計算されて並べられいて、全曲版の分厚いスコアを俯瞰して湧き上がって来る音は、絵巻物を見ているようです。

作曲を依頼したディアギレフは、その情景の色彩のみならず、均一ではない空気の漂いや淀みまでを感じさせ、音符という記号の積み重ねでそれを体現するというラヴェル素晴らしい能力をここまで予見していたのでしょうか。


【出演】中田昌樹(指揮者)

【演奏】モーリス・ラヴェル作曲『ダフニスとクロエ』第3場「夜明け」 レナード・スラットキン/指揮、フランス国立リヨン管弦楽団/演奏

イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行

【提供】笹川日仏財団

Fri, 09 Dec 2022 21:00:45 GMT
#70 滑らかさと正確さと-「パントマイム」のフルートソロ

モーリス・ラヴェルの最後の棲家があるモンフォール=ラモリー(Montfort-l'Amaury)は、パリの西、ヴェルサイユ宮殿の広大な庭園の脇を走り抜けて間もなくの、小さな村です。

その家は傾斜地にある為、町や周りの森を見渡せる居間の階から、小さな螺旋階段を降りた庭に面したところに寝室があります。
ラヴェルは、夜眠れず森を散歩したりする事も多かったとの事。昼間眠るためか、その部屋は地中海の薄明るい夜のような淡い黄色に塗られていて、壁の四隅にはコリント式の柱頭が描かれています。窓の雨戸(volée)には星と三日月がくり抜かれ、そこから光が漏れて、夜空に輝くような演出。これらは総てラヴェル自身が自らの手で作業をしたのだと。

この不思議な色彩感の空間の中、ラヴェルは天蓋の付いた小さなベッドの上で、若いころ作曲した『ダフニスとクロエ』の舞台になったギリシャへ憧憬を思い出すのでしょうか。

【出演】中田昌樹(指揮者)

【演奏】モーリス・ラヴェル作曲『ダフニスとクロエ』第3場「パントマイム」 レナード・スラットキン/指揮、フランス国立リヨン管弦楽団/演奏

インタビュー/トマ・プレヴォ 元フランス国立放送管弦楽団 フルート主席奏者

イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行

【提供】笹川日仏財団

Fri, 02 Dec 2022 21:00:36 GMT
#69 フルートが引き出すオケの魅力-ドビュッシー《牧神の午後への前奏曲》

増四度の不明瞭な浮遊感を保ちつつ、輪郭の曖昧な世界を創り出す才能。

それまで多くの作曲家が、少しずつ拡げて来ていたハーモニーの流れや拡がりを、一気に未知の方向性に踏み込んだのは、やはりドビュッシーのエキセントリックとも思える性格や行動とは無縁ではないのでしょう。

その流れは、ラヴェル、プーランクを経て、遥かオリビエ・メシアンの不可思議な世界へと伝わって行きます。


【出演】中田昌樹(指揮者)

【演奏】クロード・ドビュッシー作曲『牧神の午後への前奏曲』 中田昌樹/指揮、エルムの鐘交響楽団/演奏

インタビュー/トマ・プレヴォ 元フランス国立放送管弦楽団 フルート主席奏者

イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行

【提供】笹川日仏財団

Fri, 25 Nov 2022 21:00:21 GMT
#68 バスクのヴィルトゥオーソに捧げられたサン=サーンスのヴァイオリン協奏曲第三番 第一楽章

サン=サーンスは3曲のヴァイオリン協奏曲を作曲しましたが、第二番を書き上げた後、第三番に着手するまでに20年の月日が流れます。

その間、協奏曲に限ってもピアノ協奏曲2曲、チェロ協奏曲と、妙技/名人芸をふんだんに盛り込み、技巧的にも難しい名作を生み出していました。しかし、何故か、この第三番にはヴァイオリンにとって腕前を衒(ひけらかす)ような複雑な重音奏法や超高速のパッセージはほとんどなく、むしろヴァイオリンの豊かで芳醇な音色と、サラサーテが得意とされたハーモニックス奏法(倍音)で奏でる舞い上がるように透き通った高音で全曲が満たされています。


【出演】中田昌樹(指揮者)

【演奏】カミーユ・サン=サーンス作曲ヴァイオリン協奏曲第三番 ロ短調 第一楽章 パトリック・ガロワ/指揮 ファニー・クラマジラン/ヴァイオリン

シンフォニア・フィンランディア・ユヴァスキュラ/演奏

インタビュー 破魔澄子 元フランス国立管弦楽団 ヴァイオリニスト

イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行

【提供】笹川日仏財団

Fri, 18 Nov 2022 21:00:45 GMT
#67 バスクのヴィルトゥオーソに捧げられたサン=サーンスのヴァイオリン協奏曲第三番 第二楽章

サン=サーンスと親交が深かったサラサーテは、現在スペイン領ナバラ州で生まれたバスク人。フルネームはバスク風に父方/母方の両方の姓を名乗るパブロ・マルティン・メリトン・デ・サラサーテ・イ・ナバスクエス(Pablo Martín Melitón de Sarasate y Navascuéz)。

マドリードの音楽院で学び、10才のときにスペイン女王イサベル2世の前で演奏を披露し、続いてパリ音楽院に入学、13才で卒業する神童振りを発揮します。

フランスを中心に活躍するも、独特の文化/言語を持つ故郷のバスク地方の音楽への関心も強く、ソルツィーコ(zortziko) という5/8拍子(1+2+2)の伝統的な舞曲を一般に分かり易いように3/4拍子の記譜に直し、リズムを微妙に揺らして、本来の5/8拍子のように弾いて見せたそうです。


【出演】中田昌樹(指揮者)

【演奏】カミーユ・サン=サーンス作曲ヴァイオリン協奏曲第三番 ロ短調 第二楽章 パトリック・ガロワ/指揮 ファニー・クラマジラン/ヴァイオリン

シンフォニア・フィンランディア・ユヴァスキュラ/演奏

インタビュー 破魔澄子 元フランス国立管弦楽団 ヴァイオリニスト

イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行

【提供】笹川日仏財団

Fri, 11 Nov 2022 21:00:15 GMT
#66 バスクのヴィルトゥオーソに捧げられたサン=サーンスのヴァイオリン協奏曲第三番 第三楽章

モーツァルトと再来とも言われた早熟の天才サン=サーンス。若くしてパリ音楽院を卒業し、作曲家としての活動のかたわら、弱冠23才でその後20年間務めることになるパリ・マドレーヌ寺院のオルガニストという名誉ある地位に就きます。

その頃、13才でパリ音楽院したばかりの天才ヴァイオリン奏者サラサーテに出会い、お互いの才能を敬愛し合い、度々一緒に旅行するほど意気投合したようです。

バスク地方に生まれ、スペイン文化の影響を受けて育ったサラサーテの為に、サン=サーンスはさっそくスペイン風の『カプリス(奇想曲)』を作曲します。

そのテーマは20年以上後に書かれ、サラサーテに献呈されたヴァイオリン協奏曲第三番の第三楽章冒頭に用いられています。


【出演】中田昌樹(指揮者)

【演奏】カミーユ・サン=サーンス作曲ヴァイオリン協奏曲第三番 ロ短調 第三楽章 パトリック・ガロワ/指揮 ファニー・クラマジラン/ヴァイオリン

シンフォニア・フィンランディア・ユヴァスキュラ/演奏

イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行

【提供】笹川日仏財団

Fri, 04 Nov 2022 21:00:46 GMT
#65 人生の荒波を思わせる – ドビュッシー『海』

ドビュッシーが『海』の作曲を始めてから初演に至るまでには、三年という長い時間が費やされました。 海からは遠く離れた、ブルゴーニュ地方の妻リリーの実家で作曲を開始。直後、パリに戻ったところで裕福な銀行家夫人と出逢い、たちまち恋に落ちて、ジャージー島、ノルマンディと、海の近くに旅立ちます。 パリに戻ったところで、リリーの知るところとなり、彼女はなんとコンコルド広場でピストル自殺を計ります。未遂に終わったものの、親しい友人たちの多くはドビュッシーのもとを去って行った、と。 第二曲の水面を吹き抜ける風を思わせる流麗な音の流れに比べて、第三曲目の荒々しい海を思わせる曲想は、そんな周りの状況が微妙に影響しているかもしれません。 

【出演】中田昌樹(指揮者) 

【演奏】クロード・ドビュッシー作曲『海』第3曲「風と海の対話」 準・メルクル/指揮、フランス国立リヨン管弦楽団/演奏 

イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行 

【提供】笹川日仏財団

Fri, 28 Oct 2022 21:00:40 GMT
#64 変化に富んだ音符たち-ドビュッシー『海』

『海』のオーケストラスコアを俯瞰すると、今までの規則通りに整然と並んでいた音符たちとは全く違う音型/配列で、とても変化に富んでいます。
それは、取りも直さず、ドイツ的な起承転結で均整の取れた機能和声ではなく、むしろそれまで禁則とされていた和声の並行五度/八度の使用、教会旋法や不安定な増音程などを多用していることで、すっかり違う風景になってしまっているのですね。
初演にあたって、指揮者のカミーユ・シャヴィヤールのみならず、オーケストラの奏者たちも、画期的ではあれ、あまりに革新的なドビュッシーの書法に、直ぐに対応出来なかったであろうことは、想像に難くありません。


【出演】中田昌樹(指揮者)

【演奏】クロード・ドビュッシー作曲『海』第1曲「海上の夜明けから正午まで」 準・メルクル/指揮、フランス国立リヨン管弦楽団/演奏

イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行

【提供】笹川日仏財団

Fri, 21 Oct 2022 21:00:03 GMT
#63 自由な発想での管弦楽曲-ドビュッシー『海』

三部からなる管弦楽曲で、交響詩『海』と呼ばれることもありましたが、原題は La Mer, trois esquisses symphoniques pour orchestre(管弦楽のための3つの交響的素描)とあり、フランツ・リストが提唱した自由な発想における管弦楽曲、という枠を超えた、より具体的な表現になり、各楽章ごとに表題も添えられています。 しかし、その表題も、作品がほぼ完成し、出版間際になって変更しました。 例えば第一楽章「サンギネール諸島付近の美しい海(Mer belle aux Îles Sanguinaires)」(作曲のきっかけになったと思われるカミュ・モクレール小説の題)から「海上の夜明けから真昼まで(De l'aube à midi sur la mer)」のように。 それは、自身も語っているように、『総て頭の中にある海の記憶』で、ブルゴーニュ地方の山あいで作曲を始め、のちに訪れるジャージー島やノルマンディ地方の海を目の前にして、何某か変化があったからなのでしょうか‥。 

【出演】中田昌樹(指揮者) 

【演奏】クロード・ドビュッシー作曲『海』第2曲「波の戯れ」 準・メルクル/指揮、フランス国立リヨン管弦楽団/演奏

  イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行 

【提供】笹川日仏財団

Fri, 14 Oct 2022 21:00:33 GMT
#62 名曲満載!ビゼーのカルメン-その3

《カルメン》の登場人物といえば、タバコ工場の女工たち、密輸業者、流れ者、終いには恋人を刺し殺す輩。「これでは観客が逃げ出してしまう! オペラコミックは家族で楽しむ劇場なのだよ。有り得ないことだ!」というコメントをオペラコミック座支配人 ルドルフ・ル・ルーヴェンが出した程で、初演の反応は冷淡で、その真価が理解されるのは、1878年1月2日のブリュッセルの公演以降であったとか。ビゼーの友人の作曲家ギローが、台詞で進行する部分をレチタティーヴォに改編してグランド・オペラ形式でのウィーン公演を機に、一躍人気が広まりました。


【出演】中田昌樹(指揮者)

【演奏】ジョルジュ・ビゼー作曲『カルメン』より「ジプシーの歌」「花の歌」「セギディーリャ」 中田昌樹/指揮 マリアンヌ・デラカサグランド/メゾソプラノ 後田翔平/テノール 田中俊太郎/バリトン 岩永美稚子/ソプラノ 山陰フィルハーモニー管弦楽団/演奏

イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行

【提供】笹川日仏財団

Fri, 07 Oct 2022 21:00:30 GMT
#61 名曲満載!ビゼーのカルメン-その2

フランスの劇場の歴史はルイ14世統治時代にまで遡り、1671年オペラ座が、1680年にコメディ・フランセーズが王立化されました。

ナポレオン帝政時代、オペラ座はレスタティーヴォを用いる伝統的なグランド・オペラと、台詞入りのオペラ・コミックの上演を各々の劇場に区分けされた。

オペラ・コミック座で初演された名作は、枚挙の暇がありません。

  • ベルリオーズ『ファウストの劫罰』1846年12月6日
  • ビゼー『カルメン』1875年3月3日
  • ドビュッシー『ペレアスとメリザンド』1902年4月30日
  • ラヴェル『スペインの時』1911年5月19日
  • プーランク『テレジアスの乳房』1947年6月3日
  • プーランク『人間の声』1959年2月6日


【出演】中田昌樹(指揮者)

【演奏】ジョルジュ・ビゼー作曲『カルメン』より「ジプシーの歌」「花の歌」「セギディーリャ」 中田昌樹/指揮 マリアンヌ・デラカサグランド/メゾソプラノ 後田翔平/テノール 田中俊太郎/バリトン 岩永美稚子/ソプラノ 山陰フィルハーモニー管弦楽団/演奏

イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行

【提供】笹川日仏財団

Fri, 30 Sep 2022 21:00:49 GMT
#60 名曲満載!ビゼーのカルメンーその1

ジョルジュ・ビゼーは、1838年、音楽家の両親のもとに一人息子として生まれ、熱心で厳格な音楽教育を受けました。わずが9才でバリ音楽院に入学を許され、19才で若手作曲家の登竜門である《ローマ大賞》を受賞するという早熟さを発揮します。

《ローマ大賞》によってもたらされた、家族から遠く離れたイタリアでの厳しい規律や規則のないこの滞在が、ビゼーにとって自由であることの幸福、彼を取り巻く自然の美しいさをを発見することとなります。

「カルメンを作曲したビゼーは、ここイタリアで生まれたのだ」(l'association Les Amis de Georges Bizet /ジョルジュ・ビゼー友の会)


【出演】中田昌樹(指揮者)

【演奏】ジョルジュ・ビゼー作曲『カルメン』より「序曲」「闘牛士の歌」 中田昌樹/指揮 マリアンヌ・デラカサグランド/メゾソプラノ 後田翔平/テノール 田中俊太郎/バリトン 岩永美稚子/ソプラノ 山陰フィルハーモニー管弦楽団/演奏

イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行

【提供】笹川日仏財団

Fri, 23 Sep 2022 21:00:46 GMT
#59 愛娘シュシュのためのピアノ組曲ーその3

1918年3月25日、ドビュッシーが亡くなった日、ピアニストのアルフレッド・コルトーは、「ババも、きっと聴いているからね」と愛娘のシュシュに語りかけながら『子供の領分』を亡骸の前で弾いたとのこと。

そのシュシュも、翌年、父の後を追うように、14才で早世してしまいます。


【出演】中田昌樹(指揮者)

【演奏】クロード・ドビュッシー作曲『子供の領分』より (演奏順)「小さな羊飼い」「象の子守歌」「人形へのセレナード」 江澤隆行/ピアノ

イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行

【提供】笹川日仏財団

Fri, 16 Sep 2022 21:00:59 GMT
#58 愛娘シュシュのためのピアノ組曲-その2

ピアノを学ぶにあたって、嫌に思うに違いない、退屈な練習曲。

サン=サーンスは『動物の謝肉祭』の《ピアニスト》で、単純ながら半音ずつ上がっていく音階練習曲を「初心者がおどおどした演奏スタイル」で弾くように、という指示まで書き込んでいます。

ドビュッシーは、「グラドゥス・アド・パルナッスム博士」というわけのわからない題を付け、一見簡単そうでありながら、指が絡み合いそうな意地悪な音形にしたり、中間部にワグナーの難解な『トリスタンとイゾルデ』をチラつかせたり、と‥。

このふたり、揶揄の仕方は違え、共通しているのは、いずれ劣らぬピアノの超名人であったこと。


【出演】中田昌樹(指揮者)

【演奏】クロード・ドビュッシー作曲『子供の領分』より「グラドゥス・アド・パルナッスム博士」 江澤隆行/ピアノ

イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行

【提供】笹川日仏財団

Fri, 09 Sep 2022 21:00:15 GMT
#57 愛娘シュシュのためのピアノ組曲-その1

クロード・ドビュッシーが紆余曲折の末に43才で娘を授かったクロード・エマを、シュシュの愛称で溺愛します。

ピアノの為の組曲『子供の領分』は、まさにその3才になった愛娘の為に作曲され、ドビュッシー自ら楽譜の表紙の絵を描くほど‥。

しかしながら組曲に散りばめられた可愛らしい曲名にもかかわらず、音楽的に皮肉混じりのまったく斬新なものでした。


【出演】中田昌樹(指揮者)

【演奏】クロード・ドビュッシー作曲『子供の領分』より「ゴリウォーグのケークウォーク」 江澤隆行/ピアノ

イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行

【提供】笹川日仏財団

Fri, 02 Sep 2022 21:00:12 GMT
#56 異なる水の表現-ドビュッシーの場合

クロード・ドビュッシーの「水」の音の描き方。


音符の縦の線の間隔の変化で水の動きを描いたモーリス・ラヴェルに対し、音程の高低差を使って水の動きの速度を縦横無尽に描く技巧は、オペラ『ペレアスとメリザンド』第三幕1場で、メリザンドの黄金色の髪が、二階から滑り落ちるように垂れて行く様子すら表現出来るほど。後年のレスピーギの作品などに大きな影響を与えることとなります。


【出演】中田昌樹(指揮者)

【演奏】クロード・ドビュッシー作曲『映像』第1集より「水の反映」 フランソワ=ジョエル・ティオリエ/ピアノ

イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行

【提供】笹川日仏財団

Fri, 26 Aug 2022 21:00:33 GMT
#55 異なる水の表現-ラヴェルの場合

クロード・ドビュッシー、モーリス・ラヴェルのふたり。「水」を描写した作品は枚挙に暇(いとま)がありませんが、その表現、描き方はまったく違った色彩感と視点の動きを感じます。


ラヴェルは、遺された写真のように、いつもきちんとネクタイをしてスーツを着ているのが日常であったであろうし、その作品の中でも古典的な形式感の中で縦横なハーモニーを展開しても、決して、その堅い鎧を脱ぎ捨てようとはしませんでした。付点音符を使うことさえ憚り、遠慮しているように思えるほど、音符の縦の線の間隔だけで、水の動きを表わす手法はどこまでも緻密なのです。


【出演】中田昌樹(指揮者)

【演奏】モーリス・ラヴェル作曲『水の戯れ』 フランソワ=ジョエル・ティオリエ/ピアノ

イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行

【提供】笹川日仏財団

Fri, 19 Aug 2022 21:00:42 GMT
#54 ドビュッシー『夜想曲』第3曲「シレーヌ」

『夜想曲』第3曲「シレーヌ」、オペラ『ペレアスとメリザンド』の海の情景、そして集大成としてのオーケストラ作品『海-管弦楽のための3つの交響的素描』と、ドビュッシーは、海の様々な表情を音を通して具象化します。

「海には無数のリズムが潜んでる」と自身が語るように、その波の動きなど海に対する鋭敏な感受性は、幼少時過ごした南フランス、カンヌで日常的に眺めていた地中海が原点なのでしょうか。


【出演】中田昌樹(指揮者)

【演奏】クロード・ドビュッシー作曲『夜想曲』第3曲「シレーヌ」 準・メルクル/指揮、フランス国立リヨン管弦楽団・ライプツィヒMDR放送合唱団/演奏

イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行

【提供】笹川日仏財団

Fri, 12 Aug 2022 21:00:22 GMT
#53 ドビュッシー『夜想曲』第2曲「祭」

ドビュッシーは「『祭』は、光が煌めくような雰囲気を持つ踊るようなリズムであり、動きである。それは祭の中を通り抜け、祭と溶け合う行列で、まばゆく空想的な幻影のエピソードで、音楽と全体のリズムに関わる光の粒子と祭との混合物である」と語った、と。

祭の喧騒の中に、ドビュッシーは光を見出していたのでしょうか!


【出演】中田昌樹(指揮者)

【演奏】クロード・ドビュッシー作曲『夜想曲』第2曲「祭」 準・メルクル/指揮、フランス国立リヨン管弦楽団・ライプツィヒMDR放送合唱団/演奏

イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行

【提供】笹川日仏財団

Fri, 05 Aug 2022 21:00:14 GMT
#52 ドビュッシー『夜想曲』第1曲「雲」

まだ18才のドビュッシーが、依頼された歌曲の伴奏を通しての、裕福な夫人との邂逅。「挑みかかるように、心の平静を乱す眼差しになる術を心得ていたその碧い目と、豊満な姿態」を持つヴァニエ夫人の虜にならぬ筈もなく、その関係は10年近くもの長きに渡ります。
その間、入り浸っていたヴァニエ家の書斎で読み耽った詩集や文学書に多大な影響を受け、やがてマラルメの主宰する詩人、作家など芸術家が集う「火曜会(les Mardis)」に、音楽家として唯一参加するようになります。
そこでの知識人との知遇から得た、未知の世界から『牧神の午後への前奏曲』をはじめとする作品群が生まれ、ドビュッシーの作風が確立されて行きます。


【出演】中田昌樹(指揮者)

【演奏】クロード・ドビュッシー作曲『夜想曲』第1曲「雲」 準・メルクル/指揮、フランス国立リヨン管弦楽団・ライプツィヒMDR放送合唱団/演奏

イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行

【提供】笹川日仏財団

Fri, 29 Jul 2022 21:00:28 GMT
#51 ドビュッシーが誘う、まどろみの午後 - 革新的なバレエを生む

クロード・ドビュッシーの父親はパリ郊外で様々な商売を営むがうまくいかず、勃発した普仏戦争でパリ・コミューンに参加するも捕虜となり、4年間も投獄されます。生活は困窮を極め、幼少のクロードは南仏カンヌの叔母の所に預けられることに。そこで初めてピアノに触れた、という記述はあるものの、きちんと学校に通ったという記録が皆無で、クロードの少し内向的で偏屈な性格形成に影響したこと無縁ではなさそうです。
パリ音楽院在学中、クロードは学生たちの前で、自分の名前をわざと Debussy ではなく de・Bussy と書いていた、と。”de” は貴族の称号(ドイツ圏ではvon)。その独特な少し奇異な雰囲気からも、高貴な家柄を漂わせようとしたのでしょうか...。


【出演】中田昌樹(指揮者)

【演奏】クロード・ドビュッシー作曲『牧神の午後への前奏曲』 中田昌樹/指揮、エルムの鐘交響楽団/演奏

イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行

【提供】笹川日仏財団

Fri, 22 Jul 2022 21:00:39 GMT
#50 ドビュッシーが誘う、まどろみの午後 - 浮遊感のヒミツ

指揮者であり数学者でもあったエルネスト・アンセルメは、「作曲家はオーケストラ的に<思考する>人々と、まず音楽のイメージを抱き、然る後にオーケストラに具現化する人々とに分けられる」というリムスキー=コルサコフの考えを支持した上で、「ドビュッシーは後者に属し、演奏には音響的な問題が付きまとう」と明言しています。


【出演】中田昌樹(指揮者)

【演奏】クロード・ドビュッシー作曲『牧神の午後への前奏曲』 中田昌樹/指揮、エルムの鐘交響楽団/演奏

イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行

【提供】笹川日仏財団

Fri, 15 Jul 2022 21:00:41 GMT
#49 ドビュッシーが誘う、まどろみの午後

「ドビュッシー《牧神の午後への前奏曲》のフルート・ソロ、《夜想曲》の『雲』で用いられているコール・アングレ(イングリッシュ・ホルン)の存在がなければ、その後の音楽の進展はまったく違ったものになっただろう」

現代音楽の旗手で作曲家のみならず指揮者としても活躍した、ピエール・ブーレーズの語った言葉の如く、それまでの、繊細ながら輪郭線のはっきりした音楽から、ドビュッシーの書いた音符が昇華して、ぼんやりとした浮遊感すら感じられるような音楽へと、鋭角的に方向性が変遷して行きます。そしてオペラ《ペレアスとメリザンド》では、原作者メーテルリンクの「水が眠るような音」に呼応した音楽を奏でます。


【出演】中田昌樹(指揮者)

【演奏】クロード・ドビュッシー作曲『牧神の午後への前奏曲』 中田昌樹/指揮、エルムの鐘交響楽団/演奏

イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行

【提供】笹川日仏財団

Fri, 08 Jul 2022 21:00:15 GMT
#48 ベルリオーズが描く幻想という名の宇宙

フランス南部、リヨン近くの小さな町、ラ・コート=サンタンドレ(La Côte-Saint-André)の裕福な医者の家に生まれたエクトール・ベルリオーズ。でも町にはピアノを持つ家もなく、ベルリオーズ幼少時に与えられた楽器は縦笛とギターだけでした。かくして、ピアノを全く弾かない/弾けない作曲家が誕生する事になります。


しかしながら、それによって、モーツァルトやベートーヴェンのように、ピアノという平板的な響きからは想像し得ない、立体的な宇宙観の音楽が、彼の頭の中だけで鳴り響くことになります。《葬送と勝利の大交響曲》《死者の為の大ミサ曲》など、それを現実の音として形にするには、破天荒と思われるような数百人にも及ぶオーケストラや合唱団、四方に配置された金管バンダというサラウンド方式さえ編み出します。


その発想は、後にヴェルディ《レクイエム》をはじめ、多くの作曲家の指針となったことは間違いありません。


【出演】中田昌樹(指揮者)

【演奏】エクトール・ベルリオーズ作曲『幻想交響曲』第5楽章 レナード・スラットキン/指揮、フランス国立リヨン管弦楽団/演奏

イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行

【提供】笹川日仏財団

Fri, 01 Jul 2022 21:00:12 GMT
#47 ベルリオーズの幻は続く

ベルリオーズの著した《管弦楽法》の『オーケストラの章』には、こんな事が書かれています。「時間と資金と労力が得られれば、巨大オーケストラの編成はかくあるべきだ」と。ヴァイオリン120、ヴィオラ40、チェロ、コントラバス、木管楽器62、金管楽器47、打楽器55、ハープ30、ピアノ、オルガン1で計467人という、破天荒で非現実的な数字が列挙されています。

実際に《レクイエム》(死者のための大ミサ曲(Grande Messe des morts )ではティンパニ8対16台を10名の奏者で叩かせたり、コントラバスよりさらに1オクターブ低い音が出せる『オクトバス(octobass)』を考案/発注したりもしています。


【出演】中田昌樹(指揮者)

【演奏】エクトール・ベルリオーズ作曲『幻想交響曲』第4楽章 レナード・スラットキン/指揮、フランス国立リヨン管弦楽団/演奏

イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行

【提供】笹川日仏財団

Fri, 24 Jun 2022 21:00:20 GMT
#46 ベルリオーズの夢か現か幻か

原題// 『ある芸術家の生涯のエピソード、五部構成の幻想的交響曲』(Épisode de la vie d'un artiste, symphonie fantastique en cinq parties )

「病的なほどの感受性と燃えるような激しい想像力を持つ若い音楽家が、恋に悩み絶望のあまりアヘンによる服毒自殺を図る。麻薬の量は死に至らしめるには足りず、彼は重苦しい眠りの中で一連の奇怪な幻想を見る。その感覚、感情、記憶が、彼の病んだ脳の中に観念となって、そして音楽的な映像となって現われる。愛する人の姿がひとつの旋律となって、あたかも固定観念のようにそこかしこに現われ、聞こえてくる」(1855年の演奏会に添えられたプログラム・ノートから)。


【出演】中田昌樹(指揮者)

【演奏】エクトール・ベルリオーズ作曲『幻想交響曲』第2楽章 レナード・スラットキン/指揮、フランス国立リヨン管弦楽団/演奏

イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行

【提供】笹川日仏財団

Fri, 17 Jun 2022 21:00:37 GMT
#45 美しく華やかなローマのカーニバル

エクトール・ベルリオーズが自ら著した自叙伝『回想録』の冒頭は、およそ次のようなことが書いてあります。「私は1803年12月11日、フランス・イゼール県中部の小さな町、ラ・コート・サン・タンドレで生まれた。母は懐妊中、ウェルギリウスの母のように月桂樹の枝(栄光や詩の象徴)を産むとは夢にも思っていなかったのだ。母はまた、アレクサンドロス大王の母オリュンピアスのように、自分の胎内に燃える火の粉を宿しているとは思ってもいなかったことも付け加えておかねばならない。これは例をみない異常なことと私は思うが、事実なのだ。詩文学が全盛だった時代、栄光を運命づけられた人々の到来を告げる種々の前兆があったのだが、そんな予兆もなく、私はごく普通にこの世に生を受けた。もしかすると私たちの時代には詩が欠けているのだろうか?」。 自分の出生にアレクサンドロス大王まで登場させるベルリオーズ。一体どんな音楽を紡ぐのでしょうか。


【出演】中田昌樹(指揮者)

【演奏】エクトール・ベルリオーズ作曲『ローマの謝肉祭』 中田昌樹/指揮、札幌フィルハーモニー交響楽団/演奏

イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行

【提供】笹川日仏財団

Fri, 10 Jun 2022 21:00:11 GMT
#44 軽妙洒脱、ピアノ協奏曲の新境地 その2

ラヴェル作曲のオペラ『子供と魔法』の台本を書き、ココ・シャネルの寵愛を受けた事でも有名な小説家コレットが語るラヴェル像は「リスのような‥」という、小動物のような形容。「人並みはずれて弱々しい身体と、その上にのった、大きくて美しい頭との不均衡が特徴的で、齧歯(けっし)動物のようにか細い手をきちんと重ね、ちょっと怯えたような目つきであたりを見渡しながら、静かに話を聞いている」と。その繊細さからか、可愛い小さいものへ愛情を傾け、棲家のピアノの上やサロンの棚には、小さな置物が溢れんばかりに、しかし、それは整然と綺麗に配列されて並んでいました。


【出演】中田昌樹(指揮者)

【演奏】モーリス・ラヴェル作曲『ピアノ協奏曲 ト長調』第一楽章 レナード・スラットキン/指揮、フランソワ・デュモン/ピアノ、フランス国立リヨン管弦楽団

イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行

【提供】笹川日仏財団

Fri, 03 Jun 2022 21:15:41 GMT
#43 軽妙洒脱、ピアノ協奏曲の新境地

『スペイン人作曲家よりスペインっぽい曲を書く作曲家』と称されたモーリス・ラヴェル。なのに、生涯、一度もスペインに足を踏み入れたことがなく、スペインに隣接した母の故郷バスク地方にも、生後三ヶ月居たのち25歳になるまで行っていなかった、と。
しかし、その作品には各々の土地の特徴がふんだんに盛り込まれています。
そんな異文化の音楽に繊細且つ敏感なラヴェルが、多種多様、あらゆる文化/民族が入り混じるアメリカに数ヶ月滞在すると、いったい何を感じ、吸収し、影響されるのか‥。フランス帰国後、直ちに書かれたピアノ協奏曲は、それが見事に結実した華やかな結晶。


【出演】中田昌樹(指揮者)

【演奏】モーリス・ラヴェル作曲『ピアノ協奏曲 ト長調』第一楽章 レナード・スラットキン/指揮、フランソワ・デュモン/ピアノ、フランス国立リヨン管弦楽団

イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行

【提供】笹川日仏財団

Fri, 27 May 2022 21:00:01 GMT
#42 ラヴェルの精緻な世界『ソナチネ』その弐

パリから西に進み、広大なヴェルサイユ宮殿を通り過ぎ、細い木々の並木道を進んで、ふと視界が開けたところに、教会とカフェ一軒がある小さな村、モンフォール=ラモリィ(Montfort-l'Amaury)に辿り着きます。少し小高くなったところに、とんがり屋根の一風変わった家。そこが、自ら望眺荘(眺めのいい館/belvedere)と呼でいたという、モーリス・ラヴェルが人生の最後を過ごした棲家。室内の飾り棚からピアノの上まで、小さな置物たちでいっぱいで、まさに『ソナチネ』を形作っている十六分音符が点在しているかのようです。 


【出演】中田昌樹(指揮者) 

【演奏】モーリス・ラヴェル作曲『ソナチネ』第三楽章 ピアノ/フランソワ・ジョエル・ティオリエ

  イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行 

【提供】笹川日仏財団

Sat, 21 May 2022 22:11:32 GMT
#41 ラヴェルの精緻な世界『ソナチネ』その壱

モーリス・ラヴェル作曲の『ソナチネ』。ソナチネsonatine とは、ソナタsonata の指小辞(ししょうじ/diminutive)で、少し小さなとか、よりも小規模な、演奏も容易でピアノの入門者が弾くような曲をさすことが多いようです。ハイドン、モーツァルト以来、ベートーヴェンに至るまで形式/内容共に拡張の一途を辿ったピアノ・ソナタのジャンルの中で、ラヴェルはその厳格で常套的な手法/形式感を避け、敢えて前世紀の古典的形式に留まりつつも、精緻を極めるミニチュアな世界を創り出します。


【出演】中田昌樹(指揮者)

【演奏】モーリス・ラヴェル作曲『ソナチネ』第一楽章 ピアノ/フランソワ・ジョエル・ティオリエ

イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行

【提供】笹川日仏財団

Fri, 13 May 2022 21:00:16 GMT
#40 世界屈指の名ホールでザンパを堪能する。

イタリアの作曲家ロッシーニの流れを汲み、《フランスのロッシーニ》とまで言われた、快活で機智に富んだ華やかな響きの『ザンパ』序曲は、しっかりと音響設計された近代的なホールよりも、伝統的な箱型(shoe box type)の自然な響きが心地よいようです。

1883年に実施されたコンセルトヘボウ建築コンペでは、音楽ホールに関する特別な知識を持たないドルフ・ファン・ヘイト(Dolf van Gendt)のアイデアが採用されました。一階客席に全く傾斜がなく、ステージの高さは約2メートル。舞台の雛壇は50センチずつ上がっていく凄い角度がある為、客席からの死角は無し。指揮者は地下の控室からエレベーターで上がってきて、ステージ奥(二階バルコニーの高さ)から赤い絨毯の階段を駆け降りてくる、という世界でも類を見ない形状のホールから、世界屈指の素晴らしいサウンドが生まれる不思議。


【出演】中田昌樹(指揮者)

【演奏】フェルディナン・エロール作曲『ザンパ』序曲 指揮/中田昌樹 演奏/関西学院交響楽団

イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行

【提供】笹川日仏財団

Fri, 06 May 2022 21:00:04 GMT
#39 フレンチ・ロッシーニ・クレシェンド!

フェルディナン・エロール。フランスの作曲家としてはあまり馴染みのない名前です。しかし、ベルリオーズ、ビゼー、ドビュッシーなどフランスの名だたる作曲家たちが受賞した《ローマ大賞》を獲得、オペラも22曲作曲した俊英でしたが、惜しくも42歳の若さで世を去ります。現在演奏されるのは『ザンパ』序曲くらいになってしまいましたが、そこには短いながらも豊かな才能の片鱗を伺い知ることができます。 『ザンパ』(原題は『大理石の婚約者/Zampa ou La fiancée de marbre)は、海賊の頭領ザンパが既に婚約者がいる伯爵の美しい娘に横恋慕して結婚を迫るものの、ザンパの先妻の大理石の石像がそれを阻止して、理不尽な権力に仕返しをするという内容のオペラです。これは十九世紀初頭にフランスで流行した典型的な《救出オペラ》で、民衆の心を捉え、大成功したようです。


【出演】中田昌樹(指揮者) 

【演奏】フェルディナン・エロール作曲『ザンパ』序曲 指揮/中田昌樹 演奏/関西学院交響楽団

ジョキアーノ・ロッシーニ作曲『泥棒かささぎ』 指揮/クリスチアン・ベンダ 演奏/プラハ・シンフォニア管弦楽団

  イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行 【提供】笹川日仏財団

Fri, 29 Apr 2022 21:00:05 GMT
#38 イベールの地中海旅行

作曲家が見知らぬ土地に辿り着いた時、感じ取るさまざまな情報。日差しであり、空気の流れであり、匂いであり、それらが混じり合って音に昇華するとすれば、その色彩感に違いが生まれるのは当然でしょう。サン=サーンスが受動的に聞いていた音像とは違い、イベールの、精緻でありながら厚く強い流れを伴った色彩感は、あの華麗で典雅ながら少し透明さすら感じるラヴェルの作品をも凌駕する濃密ささえ感じます。


【出演】中田昌樹(指揮者)

【演奏】ジャック・イベール作曲 交響組曲『寄港地』より「ネフタ」「バレンシア」 指揮/佐藤道郎 演奏/倉敷市民吹奏楽団グリーンハーモニー

イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行

【提供】笹川日仏財団

Fri, 22 Apr 2022 21:00:00 GMT
#37 旅するサン=サーンスその2

サン=サーンスは、若い頃は神童としての名を欲しいままにし、その後、フランス音楽界の重鎮としての作曲や演奏活動し続けました。それと並行して、各々の分野で素晴らしい専門的な知識も身につけていました。地質学、考古学、植物学、蝶類学のみならず、数学の専門知識を持ち、音響学、超自然的科学現象、ローマ時代の劇場装飾、古代楽器などに関する学術論文を発表、哲学書まで著しました。その間にも頻繁に旅行を続け、旅の果てに、滞在していたアルジェで客死。86歳でした。その際「これが最後の旅路かも‥」と呟いたそうな‥。


【出演】中田昌樹(指揮者)

【演奏】カミーユ・サン=サーンス『アルジェリア組曲』より「夕べの幻想(ブリダにて)」「フランス軍隊行進曲」 指揮/中田昌樹 演奏/岡山交響楽団

イントロ&エンディング クロード・ドビュッシー『小さな黒人』 演奏/江澤隆行

【提供】笹川日仏財団

Fri, 15 Apr 2022 21:00:00 GMT
#36 旅するサン=サーンス

モーツァルトを凌駕するほどの早熟な天才として、その名を馳せたカミュ・サン=サーンス。 名声を欲しいままにした順風満帆な人生でありましたが、晩年は、アフリカはもとより、西はサン・フランシスコ、東はセイロン(現スリランカ)、シンガポール、南はブラジルと、まさに世界中を旅してまわった、大変な旅行家でもありました。しかも、何故か恩師のフランソワ・サノワの名にあやかってか、シャルル・サノワという偽名を名乗って...。

 

【出演】中田昌樹(指揮者) 

【演奏】カミーユ・サン=サーンス『アルジェリア組曲』より「アルジェを眺めて」「ムーア風狂詩曲」 指揮/中田昌樹 演奏/岡山交響楽団 

イントロ&エンディング クロード・ドビュッシー『小さな黒人』 演奏/江澤隆行 

【提供】笹川日仏財団

Fri, 08 Apr 2022 21:00:00 GMT
#35 ラヴェル、亡き友への思いを古典舞曲にのせる

ラヴェルは亡き友人たちへの思い出を語りかける言葉を、あの細かいたくさんの音符にして、フランス語の流麗な言葉を連ねたような音の世界を作りました。そしてそれを古典的な舞曲にのせて、さまざまな人模様を浮かび上がらせます。 ちょっとテンポを変えてみたりペダルを多用して弾いてみると、その影絵の部分も見えてくる不思議。


【出演】中田昌樹(指揮者)

【演奏】モーリス・ラヴェル『クープランの墓』ピアノ組曲より「プレリュード」「フーガ」「フォルラーヌ」「メヌエット」「トッカータ」 演奏/江澤隆行

イントロ&エンディング クロード・ドビュッシー『小さな黒人』 演奏/江澤隆行

【提供】笹川日仏財団

Fri, 01 Apr 2022 21:00:00 GMT
#34 友に捧ぐ組曲『クープランの墓』

第一次世界大戦時、愛国的忠義心からラヴェルも軍隊に志願し、体重が2kg足りない(48kgしかありませんでした!)とハネられそうになりましたが、辛うじて負担の軽い後方支援のトラック運転を担うことに。それでも結局は健康を害し途中除隊するほど虚弱であったようです。 この曲集は、戦争で失った親しい友人たちの思い出を、敬愛するバロック時代の作曲家クープランの名のもと、その時代の典雅な形式に納めて捧げた組曲です。


【出演】中田昌樹(指揮者)

【演奏】モーリス・ラヴェル『クープランの墓』より第4番「リゴドン」 指揮/レナード・スラットキン指揮、演奏/フランス国立リヨン管弦楽団(配信期間:2022年3月26日〜4月25日)

イントロ&エンディング クロード・ドビュッシー『小さな黒人』 演奏/江澤隆行

【提供】笹川日仏財団

Fri, 25 Mar 2022 21:00:00 GMT
#33 ラヴェルとドビュッシー、それぞれのハープ

モーリス・ラヴェルとクロード・ドビュッシー。フランスを代表するふたりの作曲家に、ほぼ同時期に全く違った機構の新型のハープを開発したふたつの会社が作曲を依頼する。 前者は足元にあるペダルを操作して半音階を作り出すプレイエル社製の為に『序奏とアレグロ』を1905年に、後者は弦を増やして半音を容易に演奏するように考案されたエラール社製の為に『神聖な舞曲と世俗の舞曲』を1904年に作曲。それぞれの楽器の特徴を活かす名曲がこうして誕生しました。


【出演】中田昌樹(指揮者)

【演奏】クロード・ドビュッシー『神聖な踊りと世俗の踊り』より「神聖な踊り」 Ellen Bødtker (hp)、Sjur Bjaerke (cb)、Vertavo String Quartet(配信期間:2022年3月19日〜4月18日)

イントロ&エンディング クロード・ドビュッシー『小さな黒人』 演奏/江澤隆行

【提供】笹川日仏財団

Fri, 18 Mar 2022 21:00:00 GMT
#32 ラヴェルは如何なる風を夢想したか?

パリ郊外、モンフォール・ラモリィの《ベルヴェデーレ(眺めのいい家)》と名付けられた、モーリス・ラヴェル最後の棲家。その寝室に、彼はギリシャ風の柱頭を持った柱を自ら描きました。 遥か、ギリシャ神話に登場するミュージックの語源にもなった女神ミューズが奏でる優美な音楽と舞。 ラヴェル自身が夢想したであろう、そのしなやかな風と爽やかな風はそれぞれ木管楽器とハープで、見事に体現されています。


【出演】中田昌樹(指揮者)

【演奏】モーリス・ラヴェル『序奏とアレグロ』 ゾルターン・ジェンジェッシ/フルート、ベーラ・コヴァーチ/クラリネット、エヴァ・マロシュ/ハープ、コダーイ・クァルテット(配信期間:2022年3月12日〜4月11日)

イントロ&エンディング クロード・ドビュッシー『小さな黒人』 演奏/江澤隆行

【提供】笹川日仏財団

Fri, 11 Mar 2022 21:00:00 GMT
#31 風立ちぬ、プーランクのフルート

フランシス・プーランクがフルートとという、か細い楽器を通して織りなすいろいろな風。 その風は、時には疾風のような速さで吹け抜けるかと思えば、爪先立って跳ね回るような旋風だったり、はたまた包み込むような微風だったり。その度に色彩を変えて見えてくる、軽妙洒脱で変幻自在な風景を楽しめます。


【出演】中田昌樹(指揮者)

【演奏】フランシス・プーランク フルート・ソナタ FP164 - 第1楽章 フルート/フィリップ・ベルノルド、ピアノ/アレクサンドル・タロー(配信期間:2022年3月5日〜4月4日)

イントロ&エンディング クロード・ドビュッシー『小さな黒人』 演奏/江澤隆行

【提供】笹川日仏財団

Fri, 04 Mar 2022 21:00:00 GMT
#30 ラヴェルのマジカル・オーケストレーション

パリ音楽院の学生時代に作曲した、墨絵のような濃淡だけで端正に表したモノクロームなピアノ曲。それに様々な楽器の特徴的な音色で色彩感のみならず立体感すら生み出す、素晴らしいオーケストレーションをラヴェル自身で施したのは、その10年後のこと。

しかし1911年2月27日、英国マンチェスターで初演された時のガーディアン紙の批評は「素晴らしく美しい(most beautiful)。しかし、短いフレーズの中でのとらえどころのない、ともすれば凡庸で古典的なハーモニーは表現を抑え込み、せっかくの旋律の美しさを幾分か削り取っている。とてもこの作曲家の代表作とは言い難い」と。 

将来、ラヴェルの作品の中でも最も愛される一曲になるこの曲の、古風な形式という鎧を纏った簡素な機智をこの批評家は洞察するには至らなかったようです。 

ちょうど111年前の出来事。


【出演】中田昌樹(指揮者)

【演奏】モーリス・ラヴェル『亡き王女のためのパヴァーヌ』管弦楽版 指揮/レナード・スラットキン 演奏/フランス国立リヨン管弦楽団(配信期間:2022年2月26日〜3月25日)

ピアノ版 演奏/渡邊智道

イントロ&エンディング クロード・ドビュッシー『小さな黒人』 演奏/江澤隆行

【提供】笹川日仏財団

Fri, 25 Feb 2022 21:00:00 GMT
#29 パヴァーヌは亡き王女のため、じゃなかった!?

モーリス・ラヴェル作曲『亡き王女のためのパヴァーヌ』。

逝去した王女の追悼の為の曲だとか、昔スペインの宮廷で小さな王女が踊ったような...とか、とさまざまな憶測が行き交っていますが、ラヴェル自身は 「infante défunte(アンファントゥ・デファントゥ) とte(トゥ)の韻を踏んだだけ」、と。

慎ましさ、謙虚さの中に精緻に音を組み立て、古典的な形式の完璧さの中に閉じ込めた曲をパリ音楽院在学中に書いてしまったわけです。早熟とはちょっと異質なこの稀有な資質は細い線で繋がって、あの『ボレロ』に至ります。


ナビゲーターの中田昌樹さんのレクチャー「フレンチ・クラシックを愉しもう」の第1回が2022年2月19日(土)、第2回が3月12日(土)にアンスティチュ・フランセ九州で行われます。プログラム詳細はこちらから。 https://www.institutfrancais.jp/kyushu/culture/french-classique/


【出演】中田昌樹(指揮者)

【演奏】モーリス・ラヴェル『亡き王女のためのパヴァーヌ』 ピアノ演奏/渡邊智道

イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行

【提供】笹川日仏財団

Fri, 18 Feb 2022 21:00:00 GMT
#28 妙なる木管の可能性-フルート

フルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット。木管4本の異なった音色の糸が織りなす特徴的なサウンドは、細い線の交わりながら、楽器の性能の向上とともに、不思議な立体感や浮遊感を創り出していきます。一方、不世出のフルートの名手が、敢えてその楽器の特性を逆手に取るような曲を演奏しています。それもフルートの可能性を熟知してるがゆえのことなのでしょうか。


ナビゲーターの中田昌樹さんのレクチャー「フレンチ・クラシックを愉しもう」の第1回が2022年2月19日(土)、第2回が3月12日(土)にアンスティチュ・フランセ九州で行われます。プログラム詳細はこちらから。 https://www.institutfrancais.jp/kyushu/culture/french-classique/


【出演】中田昌樹(指揮者)

【演奏】ジャック・イベール 木管四重奏『二つの楽章あるいは断章』 演奏/日本経済大学吹奏楽部

アラム・ハチャトゥリアン フルート協奏曲 指揮/中田昌樹 フルート/工藤重典 演奏/札幌フィルハーモニー管弦楽団

イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行

【提供】笹川日仏財団

Fri, 11 Feb 2022 21:00:00 GMT
#27 遅咲きのクラリネット

クラリネットは、十六世紀初頭、バッハの少年時代、ニュルンベルクの楽器製作者ヨハン・クリストフ・デンナーによって発明されたと言われています。 フルートやオーボエに比べると遅いスタートで、オーケストラで本格的に活躍するようになったのは、やっとモーツァルトの時代。それまでの約一世紀、作曲家たちにあまり関心を持たれなかったのは、その機能の未熟さのためだったのでしょうか...。 その後二十世紀に入り、ベーム・システムが導入され、楽器の性能は飛躍的に向上し、作曲家もこぞって、その性能を活かすべく、高度な技術を要する曲を探求していくようになりました。


ナビゲーターの中田昌樹さんのレクチャー「フレンチ・クラシックを愉しもう」の第1回が2022年2月19日(土)アンスティチュ・フランセ九州で行われます。プログラム詳細はこちらから。 https://www.institutfrancais.jp/kyushu/culture/french-classique/


【出演】中田昌樹(指揮者)

【演奏】ジャン=ミッシェル・デファエ『クラリネット四重奏のための6つのオーディション曲』 演奏/日本経済大学吹奏楽部

イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行

【提供】笹川日仏財団

Fri, 04 Feb 2022 21:00:00 GMT
#26 サクソフォンの音色って?

アドルフ・サックスによるサクソフォンの発明と同じ頃、ドイツのフルート奏者でもあったテオバルト・ベームが開発したシステムは「ベーム式」と呼ばれ、フルートのみならずクラリネットやサックスのキーの改良に影響を与えたと言われています。 これによって木管楽器の音質/音量、演奏性能は飛躍的に向上し、同時代の作曲家の作品にも活かされるようになりました。そこで作曲家たちがまず注目したのは、今まで存在していなかった目新しいサクソフォンという楽器。さて、オーケストラにどのように取り込んだのでしょうか...。


【出演】中田昌樹(指揮者)

【演奏】ジョルジュ・ビゼー作曲・『アルルの女』より「メヌエット」「ファランドール」 指揮/佐藤道郎 演奏/倉敷グリーンハーモニー

イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行

【提供】笹川日仏財団

Fri, 28 Jan 2022 21:00:00 GMT
#25 Mr. SAX & PHONE → そしてサクソフォンが生まれた

*1月22日(土)6時の開始時に、誤って#26エピソードを配信してしまいました。同日8時30分現在、正しいものに差し替えましたので、すでに聴いてくださった方は恐れ入りますが、再視聴くださいますようお願い申し上げます。ご迷惑おかけして申し訳ありません。


サクソフォン(Saxophone)の発明者として知られているアドルフ・サックス。 1846年にサクソフォンの特許を取得するより前、サクソルン(Saxhorn)と呼ばれる現在のユーフォニウムに近い太管の、バルブやピストンのついた金管楽器の特許を多数申請していた、と言われています。そして、それらの特許申請に多数の訴訟が起こされ、対応に忙殺されていたらというのも興味深いですね! 訴訟を起こした相手とアイデアを共有して共同開発していたらどんな楽器が生まれていたのでしょうか。人の声に近い楽器と言われているサックスの音色を生かした楽曲をお楽しみください。


【出演】中田昌樹(指揮者)

【演奏】ピエール=マックス・デュボワ『サックス四重奏』 演奏/倉敷グリーンハーモニー サクソフォンパート

イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行

【提供】笹川日仏財団

Fri, 21 Jan 2022 21:00:00 GMT
#24 『ボレロ』ってどんな曲?- III

たったふたつの単純の旋律が、音楽的対位法の結び付きを持たないまま、厳格に規則正しく繰り返し刻まれるスネア・ドラムのリズムに乗って、ただひたすらクレッシェンドをしながら進む。まさに、鬼才モーリス・ベジャールがバレエで体現したしたように、そこで蓄積されるエネルギーは求心力を得て上昇し昇華して、饗宴のさなか、やがて崩落。ブラックホールのような黒いひとつの点になるかの如く。


ナビゲーターの中田昌樹さんのレクチャーが2022年1月よりアンスティチュ・フランセ九州で始まります。プログラム詳細はこちらから。 https://www.institutfrancais.jp/kyushu/culture/french-classique/


【出演】中田昌樹(指揮者)

【演奏】モーリス・ラヴェル『ボレロ』 指揮/レナード・スラットキン 演奏/フランス国立リヨン管弦楽団(配信期間:2022年1月15日〜2月14日)

イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行

【提供】笹川日仏財団

Fri, 14 Jan 2022 21:00:00 GMT
#23 『ボレロ』ってどんな曲 ? - II

永遠に続くかと思われるような、厳格で規則正しく刻まれるスネア・ドラムのリズム。 ふたつしか登場しない旋律のひとつは、限られた狭い音域の中で浮遊しているかのよう。もうひとつの旋律は中空で彷徨った挙句、ジャズっぽいコードを伝って降りてくるのに、音楽の高揚感がどんどん増していく。『ボレロ』ってそんな不思議な曲、なのです。


ナビゲーターの中田昌樹さんのレクチャーが2022年1月よりアンスティチュ・フランセ九州で始まります。プログラム詳細はこちらから。 https://www.institutfrancais.jp/kyushu/culture/french-classique/


【出演】中田昌樹(指揮者)

【演奏】モーリス・ラヴェル『ボレロ』 指揮/レナード・スラットキン 演奏/フランス国立リヨン管弦楽団(配信期間:2022年1月8日〜2月7日)

イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行

【提供】笹川日仏財団

Fri, 07 Jan 2022 21:00:00 GMT
#22 『ボレロ』ってどんな曲?

シーズン2、最初にお届けするのはモーリス・ラヴェルの名曲『ボレロ』。たった二本の旋律が紡ぎ合うわけでもなく、ただひたすら、同じリズム、同じテンポ、そして同じ調性のまま淡々と突き進む。さまざまな楽器の音色の変幻を体感している間に、音の渦巻きに取り込まれ、気がつけばその峻烈な山稜の瓦解とともに地にひれ伏している。そんな『ボレロ』の曲を紐解きます。


ナビゲーターの中田昌樹さんのレクチャーが2022年1月よりアンスティチュ・フランセ九州で始まります。プログラム詳細はこちらから。 https://www.institutfrancais.jp/kyushu/culture/french-classique/


【出演】中田昌樹(指揮者)

【演奏】モーリス・ラヴェル『ボレロ』 指揮/レナード・スラットキン 演奏/フランス国立リヨン管弦楽団(配信期間:2022年1月1日〜1月31日)

イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行

【提供】笹川日仏財団

Fri, 31 Dec 2021 21:00:00 GMT
#21 サン=サーンスのオペラ『サムソンとデリラ』参の参

サン=サーンスのオペラ作品の中で、最も知られている『サムソンとデリラ』。題材が旧約聖書ということもあり、当初はオラトリオとして構想されただけに、音楽の流れだけで充分にそのシーンの雰囲気が伝わって来るような周到な気配りがなされています。 有名な「バッカナール」に至る音楽も、艶やかな酒宴が始まろうとする前の華やかな空気が感じられ、秀逸です。


ナビゲーターの中田昌樹さんのレクチャーが2022年1月よりアンスティチュ・フランセ九州で始まります。プログラム詳細はこちらから。 https://www.institutfrancais.jp/kyushu/culture/french-classique/


【出演】中田昌樹(指揮者)

【演奏】カミーユ・サン=サーンス『サムソンとデリラ』 指揮/中田昌樹 演奏/大分交響楽団 メゾソプラノ/マリアンヌ・デラキャサグランド テノール/後田翔平 合唱/ウィステリアコール

イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行

【提供】笹川日仏財団

Fri, 24 Dec 2021 21:00:00 GMT
#20 サン=サーンスのオペラ『サムソンとデリラ』参ノ弍

サン=サーンスのオペラ作品の中で、最も知られている『サムソンとデリラ』。しかし、その初演から辿る運命は平坦なものではありませんでした。 フランス本国での上演機会がない中、見かねた朋友フランツ・リストがワイマールの宮廷劇場での(但し、ドイツ語に翻訳して!)上演が実現し、やっとパリで初演された時は作曲から17年という歳月が流れてました。 しかし、その後30年で500回以上も上演されたとの事ですから、その真価は確かなものでした。


ナビゲーターの中田昌樹さんのレクチャーが2022年1月よりアンスティチュ・フランセ九州で始まります。プログラム詳細はこちらから。 https://www.institutfrancais.jp/kyushu/culture/french-classique/


【出演】中田昌樹(指揮者)

【演奏】カミーユ・サン=サーンス『サムソンとデリラ』 指揮/中田昌樹 演奏/大分交響楽団 メゾソプラノ/マリアンヌ・デラキャサグランド テノール/後田翔平 合唱/ウィステリアコール 

イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行

【提供】笹川日仏財団

Fri, 17 Dec 2021 21:00:00 GMT
#19 サン=サーンスのオペラ『サムソンとデリラ』参ノ壱

オペラの主役といえば、ソプラノのように高い声質のことが多いのですが、この『サムソンとデリラ』の主役デリラは、中声のメゾ・ソプラノです。 その豊かで妖艶な声で美しい旋律を奏でて、サムソンを籠絡するにはもってこいの声質と言えるでしょう。 その美しいアリアには、サムソンならずとも魅惑されるに違いありません。 


ナビゲーターの中田昌樹さんのレクチャーが2022年1月よりアンスティチュ・フランセ九州で始まります。プログラム詳細はこちらから。 https://www.institutfrancais.jp/kyushu/culture/french-classique/ 


【出演】中田昌樹(指揮者) 

【演奏】カミーユ・サン=サーンス『サムソンとデリラ』 指揮/中田昌樹 演奏/大分交響楽団 メゾソプラノ/マリアンヌ・デラキャサグランド テノール/後田翔平 合唱/ウィステリアコール

  イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行 

【提供】笹川日仏財団

Fri, 10 Dec 2021 21:00:00 GMT
#18 サン=サーンス『動物の謝肉祭』その弐

動物の生態だけではなく、様々なユーモアや皮肉も取り混ぜた『動物の謝肉祭』。あの教会の敬虔な祈りや、宇宙的壮大さを感じる交響曲第三番「オルガン付」を書き進んでいる同じ時期に作曲されています。 サン=サーンスのあたまの中は、多重構造になっているのでしょうか。


ナビゲーターの中田昌樹さんのレクチャーが2022年1月よりアンスティチュ・フランセ九州で始まります。プログラム詳細はこちらから。

https://www.institutfrancais.jp/kyushu/culture/french-classique/


【出演】中田昌樹(指揮者)

【演奏】スロヴァキア放送交響楽団 指揮オンドレイ・レナールト

カミーユ・サン=サーンス『動物の謝肉祭』より「序奏と獅子王の行進」(配信期間:2021年12月4日〜2022年1月3日)

イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』

フランス民謡『J'ai du bon tabac(僕は良いタバコを持っている)』『Ah! Vous dirais-je, Maman(ああお母さん、聞いてもらえるかしら)』

カミーユ・サン=サーンス『動物の謝肉祭』より「白鳥」「水族館」 江澤隆行

【提供】笹川日仏財団

Fri, 03 Dec 2021 21:00:00 GMT
#17 サン=サーンス『動物の謝肉祭』 その壱

『動物の‥』という題名にもかかわらず、《ピアニスト》《化石》といった「動物」以外も登場します。 サン=サーンスの、単に擬人化(擬動物化⁈)するのではなく、皮肉や揶揄を込めて、その生態を表そうとするその手法は天才的です!


【出演】中田昌樹(指揮者)

【演奏】スロヴァキア放送交響楽団 指揮オンドレイ・レナールト

カミーユ・サン=サーンス『動物の謝肉祭』より「序奏と獅子王の行進」(配信期間:2021年11月27日〜12月26日)

イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』および

カミーユ・サン=サーンス『動物の謝肉祭』より「象」「亀」「ピアニスト」「野生のロバ」 江澤隆行

【提供】笹川日仏財団

Fri, 26 Nov 2021 21:00:00 GMT
#16 フランス音楽って絵画のよう⁈

大分交響楽団 第44回定期演奏会で演奏されるサン=サーンス『死の舞踏』、ダンディ『フランスの山人の歌による交響曲』 、サン=サーンス『交響曲第三番オルガン付』を全16回にわたってご紹介。


見たことのない風景が次々と目の前に広がるようなダンディの『フランス山人の歌による交響曲』。 墓場で踊る骸骨たちの不気味ならずとも不可思議な光景を音で映し出す『死の舞踏』。 人生の苦悶から、教会の静寂を通り、閃光が走る嵐を抜けると、その先に広がる宇宙的な空間さえ垣間見える交響曲第三番。 まさに、音で描く絵画のよう。それがフランス音楽なのです。


【出演】中田昌樹(指揮者)

【演奏】イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行

【提供】笹川日仏財団


*大分交響楽団 第44回定期演奏会(2021年11月21日[日] iichikoグランシアター)

指揮 中田昌樹

演奏 大分交響楽団

プログラム サン=サーンス『死の舞踏』/ ダンディ『フランスの山人の歌による交響曲』 ピアノ 渡邊智道/サン=サーンス『交響曲第三番オルガン付』

Fri, 19 Nov 2021 21:00:00 GMT
#15 交響曲なのにピアノ協奏曲⁉︎

大分交響楽団 第44回定期演奏会で演奏されるサン=サーンス『死の舞踏』、ダンディ『フランスの山人の歌による交響曲』 、サン=サーンス『交響曲第三番オルガン付』を全16回にわたってご紹介。


フランス山人の歌による《交響曲》というタイトルでありながら、協奏曲並みにピアノが活躍します。 しかし、ピアノ独奏とオーケストラとが丁々発止渡り合うのではなく、そこにはお互いに溶け込んで行く、ちょっと素敵なサウンドが生まれてきます。


【出演】中田昌樹(指揮者)

【演奏】イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行

【提供】笹川日仏財団


*大分交響楽団 第44回定期演奏会(2021年11月21日[日] iichikoグランシアター)

指揮 中田昌樹

演奏 大分交響楽団

プログラム サン=サーンス『死の舞踏』/ ダンディ『フランスの山人の歌による交響曲』 ピアノ 渡邊智道/サン=サーンス『交響曲第三番オルガン付』

Fri, 12 Nov 2021 21:00:00 GMT
#14 光溢れ、爽やかな風が流れる

大分交響楽団 第44回定期演奏会で演奏されるサン=サーンス『死の舞踏』、ダンディ『フランスの山人の歌による交響曲』 、サン=サーンス『交響曲第三番オルガン付』を全16回にわたってご紹介。


『フランスの山人の歌による交響曲』のピアノは、繊細な躍動と響きで、セヴェンヌ地方の山の頂に溢れる光と、そこに流れる爽やかな風を表現しています。


【出演】中田昌樹(指揮者)

【演奏】アイルランド国立交響楽団 アントニオ・デ・アルメイダ指揮 ピアノ:フランソワ・ジョエル・ティオリエ

『フランスの山人の歌による交響曲』(セヴェンヌ交響曲) Op. 25 第一楽章(配信期間:2021年11月6日〜12月5日)

イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行

【提供】笹川日仏財団


*大分交響楽団 第44回定期演奏会(2021年11月21日[日] iichikoグランシアター)

指揮 中田昌樹

演奏 大分交響楽団

プログラム サン=サーンス『死の舞踏』/ ダンディ『フランスの山人の歌による交響曲』 ピアノ 渡邊智道/サン=サーンス『交響曲第三番オルガン付』

Fri, 05 Nov 2021 21:00:00 GMT
#13 ピアノなのにピアノっぽくない⁈

大分交響楽団 第44回定期演奏会で演奏されるサン=サーンス『死の舞踏』、ダンディ『フランスの山人の歌による交響曲』 、サン=サーンス『交響曲第三番オルガン付』を全16回にわたってご紹介。


ヴァンサン・ダンディはその代表作『フランスの山人の歌による交響曲』で、交響曲なのに協奏曲のような、ピアノなのにハープのような弾き方をさせるといった、ちょっと変わった書き方をしています。


【出演】中田昌樹(指揮者)

【演奏】アイルランド国立交響楽団 アントニオ・デ・アルメイダ指揮 ピアノ:フランソワ・ジョエル・ティオリエ

『フランスの山人の歌による交響曲』(セヴェンヌ交響曲) Op. 25 第二楽章(配信期間:2021年10月30日〜11月29日)

イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行

【提供】笹川日仏財団


*大分交響楽団 第44回定期演奏会(2021年11月21日[日] iichikoグランシアター)

指揮 中田昌樹

演奏 大分交響楽団

プログラム サン=サーンス『死の舞踏』/ ダンディ『フランスの山人の歌による交響曲』 ピアノ 渡邊智道/サン=サーンス『交響曲第三番オルガン付』

Fri, 29 Oct 2021 21:00:00 GMT
#12 ヴァンサン・ダンディをご存知?

大分交響楽団 第44回定期演奏会で演奏されるサン=サーンス『死の舞踏』、ダンディ『フランスの山人の歌による交響曲』 、サン=サーンス『交響曲第三番オルガン付』を全16回にわたってご紹介。


指揮者・教育者としても活動していたヴァンサン・ダンディの作品は演奏される機会はあまり多くありませんが、『セヴェンヌ交響曲 』とも呼ばれる『フランスの山人の歌による交響曲』は代表作のひとつで、フランス中部セヴェンヌ地方の風景を、めまぐるしいほど次々に描き出す手法は見事です。


【出演】中田昌樹(指揮者)

【演奏】アイルランド国立交響楽団 アントニオ・デ・アルメイダ指揮 ピアノ:フランソワ・ジョエル・ティオリエ

『フランスの山人の歌による交響曲』(セヴェンヌ交響曲) Op. 25(配信期間:2021年10月23日〜11月22日)

イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行

【提供】笹川日仏財団


*大分交響楽団 第44回定期演奏会(2021年11月21日[日] iichikoグランシアター)

指揮 中田昌樹

演奏 大分交響楽団

プログラム サン=サーンス『死の舞踏』/ ダンディ『フランスの山人の歌による交響曲』 ピアノ 渡邊智道/サン=サーンス『交響曲第三番オルガン付』

Fri, 22 Oct 2021 21:00:00 GMT
#11 指揮者のお仕事その3

大分交響楽団 第44回定期演奏会で演奏されるサン=サーンス『死の舞踏』、ダンディ『フランスの山人の歌による交響曲』 、サン=サーンス『交響曲第三番オルガン付』を全16回にわたってご紹介。


指揮者がどうやって音を組み立てていくのか?その第三弾です。実際のリハーサルをお聞きいただきながら、弦分奏でオーケストラの土台を作っていく様子をお楽しみください。国際的に活躍しているオランダ人指揮者のローレンス・レネスのインタビューは今回が最終回です。フランス・バロックへの愛を告白しています!


【出演】中田昌樹(指揮者)

【演奏】イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行

【提供】笹川日仏財団


*大分交響楽団 第44回定期演奏会(2021年11月21日[日] iichikoグランシアター)

指揮 中田昌樹

演奏 大分交響楽団

プログラム サン=サーンス『死の舞踏』/ ダンディ『フランスの山人の歌による交響曲』 ピアノ 渡邊智道/サン=サーンス『交響曲第三番オルガン付』

Fri, 15 Oct 2021 21:00:00 GMT
#10 指揮者のお仕事その2

大分交響楽団 第44回定期演奏会で演奏されるサン=サーンス『死の舞踏』、ダンディ『フランスの山人の歌による交響曲』 、サン=サーンス『交響曲第三番オルガン付』を全16回にわたってご紹介。


指揮者はどうやって音を組み立てていくのでしょうか? 前回に引き続き、実際のリハーサルでオーケストラにどのような指示を出しているのかをお届けします。また、国際的に活躍しているオランダ人指揮者のローレンス・レネスのインタビューの続編もお贈りします。今回は彼のドラマチックなデビューについて語ってもらいました。


【出演】中田昌樹(指揮者)

【演奏】イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行

【提供】笹川日仏財団


*大分交響楽団 第44回定期演奏会(2021年11月21日[日] iichikoグランシアター)

指揮 中田昌樹

演奏 大分交響楽団

プログラム サン=サーンス『死の舞踏』/ ダンディ『フランスの山人の歌による交響曲』 ピアノ 渡邊智道/サン=サーンス『交響曲第三番オルガン付』

Fri, 08 Oct 2021 21:00:00 GMT
#9 指揮者のお仕事その1

大分交響楽団 第44回定期演奏会で演奏されるサン=サーンス『死の舞踏』、ダンディ『フランスの山人の歌による交響曲』 、サン=サーンス『交響曲第三番オルガン付』を全16回にわたってご紹介。


指揮者はどうやって音を組み立てていくのでしょうか? 今回から3回に分けて、実際のリハーサルでオーケストラにどのような指示を出しているのかをお届けします。また、国際的に活躍しているオランダ人指揮者のローレンス・レネスのインタビューもお贈りします。当番組ナビゲーターの中田昌樹氏との出会いなど、貴重なエピソードをお楽しみください。


【出演】中田昌樹(指揮者)

【演奏】イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行

【提供】笹川日仏財団


*大分交響楽団 第44回定期演奏会(2021年11月21日[日] iichikoグランシアター)

指揮 中田昌樹

演奏 大分交響楽団

プログラム サン=サーンス『死の舞踏』/ ダンディ『フランスの山人の歌による交響曲』 ピアノ 渡邊智道/サン=サーンス『交響曲第三番オルガン付』

Fri, 01 Oct 2021 21:00:00 GMT
#8 減五度の魅せる不可思議

大分交響楽団 第44回定期演奏会で演奏されるサン=サーンス『死の舞踏』、ダンディ『フランスの山人の歌による交響曲』 、サン=サーンス『交響曲第三番オルガン付』を全16回にわたってご紹介。


サン=サーンス『死の舞踏』で用いられている減五度。中世には悪夢の音程と忌みきらわれていた不協和音の響きは、のちに音楽の色彩感や輪郭線の描き方に革命的な変化をもたらし、音の推進力も多様に感じられるようになりました。


【出演】中田昌樹(指揮者)

【演奏】イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行

【提供】笹川日仏財団


*大分交響楽団 第44回定期演奏会(2021年11月21日[日] iichikoグランシアター)

指揮 中田昌樹

演奏 大分交響楽団

プログラム サン=サーンス『死の舞踏』/ ダンディ『フランスの山人の歌による交響曲』 ピアノ 渡邊智道/サン=サーンス『交響曲第三番オルガン付』

Fri, 24 Sep 2021 21:00:00 GMT
#7 真夜中の宴、ワルツを踊るのは誰?

大分交響楽団 第44回定期演奏会で演奏されるサン=サーンス『死の舞踏』、ダンディ『フランスの山人の歌による交響曲』 、サン=サーンス『交響曲第三番オルガン付』を全16回にわたってご紹介。


今回はサン=サーンス『死の舞踏』を取り上げます。西欧では『ヴァルプルギスの夜』をはじめ『サバト(土曜の夜の魔女の夜宴)』など、夜中に大騒ぎする行事はいろいろあるようですが、集まって来るのは魔物や精霊。この『死の舞踏』のように骸骨がカタカタ踊るというのは、むしろ珍しいのかもしれません。


【出演】中田昌樹(指揮者)

【演奏】マルメ交響楽団 マルク・スーストロ指揮 『死の舞踏』(配信期間:2021年9月18日〜10月17日)

イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行

【提供】笹川日仏財団


*大分交響楽団 第44回定期演奏会(2021年11月21日[日] iichikoグランシアター)

指揮 中田昌樹

演奏 大分交響楽団

プログラム サン=サーンス『死の舞踏』/ ダンディ『フランスの山人の歌による交響曲』 ピアノ 渡邊智道/サン=サーンス『交響曲第三番オルガン付』

Fri, 17 Sep 2021 21:00:00 GMT
#6 その源泉はグレゴリオ聖歌だった!

大分交響楽団 第44回定期演奏会で演奏されるサン=サーンス『死の舞踏』、ダンディ『フランスの山人の歌による交響曲』 、サン=サーンス『交響曲第三番オルガン付』を全16回にわたってご紹介。


サン=サーンス『交響曲第三番オルガン付』はグレゴリオ聖歌の「怒りの日」が、さまざまに形を変えながら循環形式のこの楽曲の随所に現れます。次回から取り上げる『死の舞踏』はこのシンフォニーより10年以上も前に作曲されましたが、やはりこの「怒りの日」が異なる形で使われています。


【出演】中田昌樹(指揮者)

【演奏】イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行

【提供】笹川日仏財団


*大分交響楽団 第44回定期演奏会(2021年11月21日[日] iichikoグランシアター)

指揮 中田昌樹

演奏 大分交響楽団

プログラム サン=サーンス『死の舞踏』/ ダンディ『フランスの山人の歌による交響曲』 ピアノ 渡邊智道/サン=サーンス『交響曲第三番オルガン付』

Fri, 10 Sep 2021 21:00:00 GMT
#5 音の螺旋階段のその先に

大分交響楽団 第44回定期演奏会で演奏されるサン=サーンス『死の舞踏』、ダンディ『フランスの山人の歌による交響曲』 、サン=サーンス『交響曲第三番オルガン付』を全16回にわたってご紹介。


サン=サーンス『交響曲第三番オルガン付』冒頭の「怒りの日」(ディエス・イレ Dies irae)から敬虔な祈りへ、その後自然界の変幻を眺めつつ、この第5エピソードでご紹介する第二部後半(第4楽章)で循環形式の螺旋階段を翔けていきます。


【出演】中田昌樹(指揮者)

【演奏】フランス国立リヨン管弦楽団 レナード・スラットキン指揮 『交響曲第三番オルガン付』第2部前半(配信期間:2021年9月4日〜10月3日)

イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行

【提供】笹川日仏財団


*大分交響楽団 第44回定期演奏会(2021年11月21日[日] iichikoグランシアター)

指揮 中田昌樹

演奏 大分交響楽団

プログラム サン=サーンス『死の舞踏』/ ダンディ『フランスの山人の歌による交響曲』 ピアノ 渡邊智道/サン=サーンス『交響曲第三番オルガン付』

Fri, 03 Sep 2021 21:00:00 GMT
#4 教会を出て野原に出よう!

大分交響楽団 第44回定期演奏会で演奏されるサン=サーンス『死の舞踏』、ダンディ『フランスの山人の歌による交響曲』 、サン=サーンス『交響曲第三番オルガン付』を全16回にわたってご紹介。 


第4エピソードでは、第一部後半で紡がれた敬虔な祈りの音楽とは対照的な第二部前半をお届けします。 中間部で、シンフォニーで使われることが珍しいサスペンデッド・シンバルや、ピアノの特徴的で躍動感溢れる音形が響き、あたかも教会から飛び出して野原を駆け回っているかのようです。 


【出演】中田昌樹(指揮者) 

【演奏】フランス国立リヨン管弦楽団 レナード・スラットキン指揮 『交響曲第三番オルガン付』第二部前半(配信期間:2021年8月28日〜9月27日) 

イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行 

【提供】笹川日仏財団 


*大分交響楽団 第44回定期演奏会(2021年11月21日[日] iichikoグランシアター) 

指揮 中田昌樹 

演奏 大分交響楽団 

プログラム サン=サーンス『死の舞踏』/ ダンディ『フランスの山人の歌による交響曲』 ピアノ 渡邊智道/サン=サーンス『交響曲第三番オルガン付』

Fri, 27 Aug 2021 21:00:00 GMT
#3 Clarinet + Horn + Trombone = ?!

大分交響楽団 第44回定期演奏会で演奏されるサン=サーンス『死の舞踏』、ダンディ『フランスの山人の歌による交響曲』 、サン=サーンス『交響曲第三番オルガン付』を全16回にわたってご紹介。


第3エピソードでは、オルガンを知り尽くしたサン=サーンスが絶妙な筆致で管楽器のハーモニーを紡ぎつつ、循環形式の中で前楽章のテーマ、グレゴリオ聖歌「ディエス・イレ」(怒りの日)をさりげなく、巧みに演出していることも解き明かします。


【出演】中田昌樹(指揮者)

【演奏】フランス国立リヨン管弦楽団 レナード・スラットキン指揮 『交響曲第三番オルガン付』第一部後半(配信期間:2021年8月21日〜9月20日)

イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行

【提供】笹川日仏財団


*大分交響楽団 第44回定期演奏会(2021年11月21日[日] iichikoグランシアター)

指揮 中田昌樹

演奏 大分交響楽団

プログラム サン=サーンス『死の舞踏』/ ダンディ『フランスの山人の歌による交響曲』 ピアノ 渡邊智道/サン=サーンス『交響曲第三番オルガン付』

Fri, 20 Aug 2021 21:00:00 GMT
#2 パイプオルガンがシンフォニーに?

大分交響楽団 第44回定期演奏会で演奏されるサン=サーンス『死の舞踏』、ダンディ『フランスの山人の歌による交響曲』 、サン=サーンス『交響曲第三番オルガン付』を全16回にわたってご紹介。


第2エピソードでは、卓越したオルガニストでありピアニストであったサン=サーンスが何故パイプオルガンをシンフォニーに取り入れたのか、またグレゴリオ聖歌「ディエス・イレ」との関係性を紐解きます。


【出演】中田昌樹(指揮者)

【演奏】フランス国立リヨン管弦楽団 レナード・スラットキン指揮 『交響曲第三番オルガン付』第一部前半/『幻想交響曲』「ディエス・イレ」(配信期間:2021年8月14日〜9月13日)

イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行

【提供】笹川日仏財団


*大分交響楽団 第44回定期演奏会(2021年11月21日[日] iichikoグランシアター)

指揮 中田昌樹

演奏 大分交響楽団

プログラム サン=サーンス『死の舞踏』/ ダンディ『フランスの山人の歌による交響曲』 ピアノ 渡邊智道/サン=サーンス『交響曲第三番オルガン付』

Fri, 13 Aug 2021 21:00:00 GMT
#1 早熟の天才サン=サーンス

大分交響楽団 第44回定期演奏会で演奏されるサン=サーンス『死の舞踏』、ダンディ『フランスの山人の歌による交響曲』 、サン=サーンス『交響曲第三番オルガン付』を全16回にわたってご紹介。


まずは今年没後100年を迎えるカミーユ・サン=サーンス(1835-1921)の『交響曲第三番オルガン付』を取り上げます。 初回は、サン=サーンスがいかに早熟の天才だったか、いくつかの驚きのエピソードを交えつつ、オーケストラとオルガンとの融合が最高潮に達するこの曲最後の部分をお届けします。 


【出演】中田昌樹(指揮者) 

【演奏】フランス国立リヨン管弦楽団 レナード・スラットキン指揮 『交響曲第三番オルガン付』第二部後半 (配信期間:2021年8月7日〜9月6日)

イントロ&エンディング ドビュッシー『小さな黒人』 江澤隆行 

【提供】笹川日仏財団 


*大分交響楽団 第44回定期演奏会(2021年11月21日[日] iichikoグランシアター) 

指揮 中田昌樹 

演奏 大分交響楽団 

プログラム サン=サーンス『死の舞踏』/ ダンディ『フランスの山人の歌による交響曲』 ピアノ 渡邊智道/サン=サーンス『交響曲第三番オルガン付』

Fri, 06 Aug 2021 21:05:03 GMT
「フレンチ・クラシック・カフェ」始まります!

軽妙なトークで定評のある指揮者の中田昌樹さんが、フランス音楽の素敵なところをちょっと変わった切り口でご紹介するプログラム「フレンチ・クラシック・カフェ」が始まります!

大分交響楽団 第44回定期演奏会で演奏されるサン=サーンス『死の舞踏』、ダンディ『フランスの山人の歌による交響曲』 、サン=サーンス『交響曲第三番オルガン付』を全16回にわたってご紹介。

8月7日から毎週土曜日に配信。視聴可能期間は各エピソード1ヶ月となっていますので、どうぞお聴き逃しなく!


【出演】中田昌樹(指揮者)

【演奏】江澤隆行(ピアノ)/トレーラー及び各エピソードのイントロとエンディング

【提供】笹川日仏財団


大分交響楽団 第44回定期演奏会(2021年11月21日[日] iichikoグランシアター)

指揮 中田昌樹

演奏 大分交響楽団

プログラム サン=サーンス『死の舞踏』/ダンディ『フランスの山人の歌による交響曲』 ピアノ 渡邊智道/サン=サーンス『交響曲第三番オルガン付』

Tue, 20 Jul 2021 11:17:55 GMT
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