JR西日本227系500番台 「Urara」 L7編成+L8編成 近畿車輛出場公式試運転

4 個月前
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(基於 PinQueue 指標)
2024年2月6日にJR西日本227系500番台 L7編成+L8編成の近畿車輛出場公式試運転が実施されました。
#試運転

227系電車(227けいでんしゃ)は、西日本旅客鉄道(JR西日本)の直流通勤・近郊形電車である。

広島地区の老朽化した近郊型・通勤型車両(113系・115系など)の置き換えを目的として、アーバンネットワーク(京阪神エリア)の新快速などで運行される225系0番台をベースに、開発された。

2015年から0番台が広島都市圏(広島シティネットワーク)の山陽本線(山陽線)などに投入され、こちらは「Red Wing(レッドウィング)」という車両愛称が付与されている。0番台は2015年9月29日に「“JRシティネットワーク広島”のブランディング(227系電車と路線記号カラーデザイン)」として、2015年度グッドデザイン賞(移動用機器・設備部門)を受賞している。

2019年より1000番台が近畿エリアの和歌山線・桜井線および紀勢本線(きのくに線)で運行を開始し、広島地区以外にも投入された。

2023年度より岡山・備後エリア(岡山都市圏・福山都市圏)に「Urara(うらら)」という車両愛称が付けられた500番台が導入されることが発表されている。

開発の経緯
2014年時点でJR西日本広島支社が保有していた電車は、いずれも日本国有鉄道(国鉄)時代に製造された車両であり、従来は関西圏(アーバンネットワーク)への新車投入で捻出された、比較的若い車両などを転用して置き換えが行われてきた。しかし、経年35年以上の車両が大半を占めるなど老朽化や設備の陳腐化が進み、老朽車両の取り換えが急務とされていた。これを受けて、2013年3月に発表された「中期経営計画2017」で、広島都市圏(広島シティネットワークなど)への新型車両の投入と新保安システムの導入が記されていた。

これらの状況に鑑み、225系などで採用された安全性向上設計を盛り込み、より安全性の高い保安装置や伝送技術の発達などの新技術を積極的に採用した広島エリア向け新型車両として開発されたのが本系列である。

本系列への採用に先駆けて、2012年および2013年に223系MA21編成(中間2両減車)により、ATS-M形(現D-TAS)の実用試験が行われた。

車体
車体長は19,570/19,500mm(先頭車/中間車)、車体幅は2,950mm、20m級車体に片側3箇所の両開き扉という、近郊形としてはオーソドックスな構成である。ホームドア設置を考慮して単編成時および複数編成連結時にかかわらずドア位置が同一となるよう、連結面-車端出入り口寸法および全長を先頭車・中間車で共通化させている。材質はステンレス鋼 (SUS301, SUS304) を使用し、321系から採用されているスポット溶接とレーザ連続との溶接構造を採用している。ただし、運転台部分は鋼製である。

2005年(平成17年)4月25日に発生したJR福知山線脱線事故を受け、列車が衝突した際に運転席周りに比べて相対的に強度を低くした先頭上部が先につぶれることで力を上方へ逃がし、乗客への衝撃と客室の変形を抑える構造(クラッシャブルゾーン、ともえ投げ方式)を225系・521系3次車に引き続いて採用している。このほかにも床・側板・屋根の接合を強固にし、側面衝突やオフセット衝突に対しても変形を少なくする設計となっている。2編成もしくは3編成連結しての運用も考慮し、常時貫通タイプとしている。

前部標識灯(前照灯)およびフォグランプにはHID、後部標識灯(尾灯)にはLEDが使用されている。前照灯および尾灯の配置は521系3次車に準じている。側窓は225系と同様のレイアウトで3枚構成とされ、下降窓+大型固定窓+下降窓で構成されている。

転落防止幌に関しては、舞子駅で起きた乗客転落死亡事故を踏まえて、従来車で取り付けられていた中間車同士の連結面だけでなく先頭車両同士の連結の場合も考慮し、運転台側面に先頭車間転落防止幌が取り付けられている。

機器類
321系や225系などで採用された、1車両中に動力台車と付随台車を1台ずつ配置し運転に必要な機器類を1両にまとめて搭載する「0.5Mシステム」と呼ばれる考え方を基本とし、すべての車両が電動車となっている。そのため、全車両に車両制御装置を搭載することを基本とし、クモハ227形には集電装置および空気圧縮機を追加している。

221系以降の設計思想を引き継ぎ、1 - 3位側(海寄り)に空制部品関係を、2 - 4位側(山寄り)に電気部品関係を集中的に配置する。

車両制御装置は WPC15A と呼称され、東芝および三菱電機が製造を担当する。主電動機を制御する主回路部と補機類の電源となる補助電源部(補助電源装置)が一体化したユニットで、IGBT素子を使用した2レベル電圧形PWMインバータである。主回路部はインバータ1基で2基の電動機を制御する、いわゆる1C2M構成のVVVFインバータを搭載する。これに対し補助電源部は三相交流 440 V、75 kVA の容量を有しており、主回路部と同じくIGBTを用いた2レベル電圧形PWMインバータをCVCF制御し、他車の車両制御装置の補助電源部と並列運転を行うことで故障時の編成全体での冗長性を確保する設計である。

空気圧縮機は、除湿装置と一体化した低騒音型スクリュー式 WMH3098-WRC1600 をクモハ227形に搭載する。スクリュー式空気圧縮機は223系2000番台以降などでの採用実績がある。

集電装置はシングルアーム型パンタグラフ WPS28E が採用され、クモハ227形後位寄りに1基搭載する。バネ上昇式・空気下降式であり、上昇検知装置および電磁カギ外し装置を備える。破損時の落下防止を目的として、パンタグラフ枠の上下に碍子を配置して貫通ボルトで固定する貫通碍子を用いたほか、大容量カーボンすり板を採用する。なお、第二パンタグラフは準備工事とされているが、1000番台の一部は設置されている。

主電動機はかご形三相誘導電動機 WMT106A が採用され、各車両に2基搭載する。センサレスベクトル制御を採用し、1時間定格出力は 270 kW に増強されている。

空調装置は、新鮮外気導入機能を備えた集約分散式である WAU708B を屋根上に1両あたり2台搭載しており、容量は 20,000 kcal/h 以上である。

車両情報システムとして、321系や225系で実績のあるデジタル転送装置を採用している。基幹伝送速度を10Mbpsから100Mbpsに向上させ、編成内で二重系構成とすることで、将来のさまざまなニーズにもソフトで対応することが可能なシステムとなっている。

車両異常挙動検知システムを装備しており、各車の下部に搭載されている車両制御装置の脇にはその表示灯箱が装備されている。

台車は、車体と同様に川崎重工業および近畿車輌が製造を担当する。メンテナンス性の向上および部品共通化の観点から、225系や321系などで実績のある軸箱支持装置が軸梁式のボルスタレス台車である。牽引装置は1本リンク式である。車体のロール方向の剛性向上のため、空気ばね間距離を 2,000 mmに拡大し、空気ばね高さを925 mmに低減させた設計は225系や321系と同等である。さらに、空気ばねの自動高さ調整装置の高さ調整棒には、動物などと接触した際の保護ガードを設けることで信頼性の向上を図っている。軸箱と台車枠との間に軸ダンパが装備されているが、ヨーダンパは準備工事としている。クモハ227形とモハ226形の場合は前位寄りに付随台車、後位寄りに電動台車を装着している。クモハ226形の場合はその逆である。

電動台車は WDT63B と呼称され、基礎ブレーキは踏面ユニットブレーキである。付随台車は中間車(モハ226形)が WTR246F 、先頭車(クモハ227形・クモハ226形)が WTR246G と呼称され、基礎ブレーキは踏面ユニットブレーキ+1軸2枚のディスクブレーキである。加えて、WTR246G にはバネ式駐車ブレーキが備えられている。

合成制輪子を使用し、制輪子・ブレーキライニング着脱のワンタッチ化、ワンタッチカプラ化された空気ホースを採用する。また、特定の編成にはフランジ塗油装置を取り付けている。

ブレーキは321系以来の標準システムとなる、電力回生併用電気指令式空気ブレーキ方式を採用する。常用ブレーキ、非常ブレーキ、抑速ブレーキ、耐雪ブレーキおよび直通予備ブレーキを備えるが、非常ブレーキに関しては設計最高速度が120km/hであることから、増圧機能を有している。なお、抑速ブレーキは40km/h以上で動作する。

ブレーキ制御装置 WC114 は各車両に2基搭載し、台車ごとに個別制御を行う。これにより故障時の冗長性を高めたほか、装置自体を各台車直近に配置することで空気配管を簡素化、応答性も向上させている。

その他装備
連結器は、中間連結部は胴受けおよび元空気溜め(MR)引通し付き半永久連結器を、先頭車運転台寄りの連結器は電気連結器・自動解結装置付き密着連結器を採用する。

保安装置は ATS-SW のほか、車両にデータベースを登録する新保安システム D-TAS(旧称 ATS-DW) を初めて搭載しており、ATS-P は準備工事とされている。先頭車の運転台寄り(クモハ227形前位寄りおよびクモハ226形後位寄り)の下部にはドア誤扱い防止用のホーム検知センサーが取り付けられている。車内放送用の自動放送装置を搭載しており、日本語と英語の二か国語で情報提供を行う(車掌乗務時にも対応)。警笛は、空気笛であるAW-2、AW-5のほか、補助警笛であるミュージックホーンが先頭車両床下に搭載されている。

500番台
2021年11月18日、JR西日本は岡山・備後エリア向けに「227系近郊形直流電車をベースとした新型車両」を導入すると発表した。このプレスリリースが発表された時点では、投入される新型車両が227系そのものか否かが不明であったが、2022年5月10日に新型車両のデザインが公表され、227系として投入されることが発表された。岡山地区に普通・快速列車用の新型車両が投入されるのは、2003年に瀬戸大橋線「マリンライナー」向けに投入された223系5000番台以来20年ぶり。

広島地区向けの0番台と同じくGKデザイン総研広島がデザインを担当し、「豊穏の彩(ほうおんのいろどり)」をコンセプトとして、岡山の桃・福山のバラ・尾道の桜など沿線の題材をイメージさせたピンクのシンボルカラーをまとう。車両の愛称が同年6月16日まで公募され、2023年1月30日に「デザインコンセプトにふさわしく、親しみをもって呼びやすい」愛称として「Urara(うらら)」に決定したことが公表され、あわせてシンボルマークも発表された。また、岡山・福山エリアの路線のラインカラーを使用した「JR CITY NETWORK OKAYAMA」のロゴマークも正面と側面に描かれている。

主要機器
保安装置は山陽本線上郡駅以東のATS-P(拠点P)設置区間への乗り入れを想定してATS-SWに加えてATS-Pも搭載している他、駅での集札を行う「都市型ワンマン運転」に対応している。また、車体側面の監視カメラや、出入口表示機器・整理券発行機・運賃箱など、整理券収受型ワンマン運転設備については将来的に対応するための準備工事としている。
ウィキペディアより
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