【「セクシー田中さん」問題】 テレビ局の制作現場って、こんなタイトなスケジュールで進めて、関係者とも会わないのか、と愕然としました。

3 週前
-
-
(基於 PinQueue 指標)
連続ドラマ「セクシー田中さん」の原作者で漫画家の芦原妃名子さん(享年50歳)が急死した問題で、日本テレビは5月31日、制作経緯を調べていた社内特別チームの調査結果を公表しました。
ツッコミどころがたくさんあります。動画では触れていませんが、放送前の昨年10月、あるシーンについて、芦原さんの問い合わせに対し、制作側が撮影していないのに「すでに撮影済みです」と虚偽の返答をし、そのまま撮影。後日、芦原さんがその事実を知り、撮り直しになったこと。
ほかにも信じられない制作現場の実態が書かれています。まず脚本家と日本テレビ、芦原さんと日本テレビは契約書すら交わしておらず、全て口約束でした。撮影前に芦原さん側は「原作に忠実に」と伝えた認識なのに、日本テレビ側は「聞いた記憶がない」。小学館側はその時点で許諾した覚えはない、と話しているのに、日本テレビ側は「許諾がなされた」
しかも制作側の日本テレビは「芦原さんに会った方が良いとは思わなかった」と担当者は答えているのです。
しかも漫画の原作が続編を書かなければならない状態で、脚本が上がって、放送がなされ、また脚本が作られ…というかなり無茶なスケジュールなのです。
芦原さんは脚本が上がってくる都度、問題点を指摘し、直してもらっていたそうですが、エピソードの順番が入れ替わっている点、喧嘩の際、相手をdisる言葉が極端で無神経、幼いし、大人として下らなさすぎると思う、という芦原さん側の指摘に、脚本家側が態度を硬化させて「原作者の指摘を直接読むことができない」と述べ、日本テレビが板挟みのような状態になります。そして、堪忍袋の緒が切れた芦原さんが「散々、説明してきたつもりなのに、さすがに堂々巡り。なのでこれ以上のやり取りはしたくない」と怒り、これに対し、日本テレビの担当者は小学館の担当者に「今まで通り進めさせてほしい」などと言っているのです。
しかも2023年9月14日ごろ、撮影が進行する中で、2話の「尺が足りない」ことが判明し、それに芦原さんが指摘した個所を日本テレビ側がいったんは断っておいて、「さらに尺が足りないことが分かった」とまたまた追加の脚本に差し替えるといった辺りでは、誰でも怒るだろう、というメチャクチャぶりです。
これこそテレビ界の常識は世間の非常識なのだな、と思いました。
おまけに9、10話を芦原さんが脚本を書いたのですが、これに脚本家が怒り出し、「クレジットの約束が守られないのであれば、放送、配信の差し止めを要求する」と言い出す事態になっています。
これは芦原さんや脚本家に責任があるというよりは、日本テレビの担当者の話の進め方がデタラメ過ぎますし、「どうせ、誰かがどこかで折れてくれるだろう」という甘い見通しがあったとしか思えません。逆に芦原さんの悲劇が起きる前にもよく同じような事態が起きなかったな、と思ったほどです。
しかもドラマと漫画が近い状態で進行し、契約書も交わさない、原作者にも会わない、脚本家と原作者と日本テレビで話し合うことを一度もしていない。こういう実態が横行していたんだ…ということがショックでした。
誰が悪いというよりは、ドラマのこれまでの作り方が根本的に間違っていると思いますし、そもそも事前の準備期間が短すぎるのではないでしょうか。
今週中に今度は小学館の調査報告がまとまるということのようですので、また今後も注視したいと思います。
-
-
(基於 PinQueue 指標)
0 則留言